人生いつでもやり直せる!
〜昔やくざ、今牧師 金沢泰裕牧師 講演会

 1996年12月に「親分はイエス様〜神と出会ったミッション・バラバの物語」(ア−サ−・ホランド著)という本を書店で見て、面白そうだったので開いてみました。最初のペ−ジに、6人の男が肩を抱き合い円陣を組んでおり、その左の男は真っ赤な上下のス−ツ、右側の男は真っ白な上下のス−ツそして残りの4人は上半身裸で、色鮮やかな刺青を身に纏っていました。この刺青の面々が、すべて昔やくざ、今牧師であるミッション・バラバの面々でした。それも、中途半端なやくざではなく、映画「仁義なき戦い」のモデルにもなり、大阪戦争の主役であったため刑務所の中でも命が狙われ、独房で過ごしたという人物までが、その写真の中にいました。しかし、その顔の表情は、非常に穏やかであり、とても殺すか、殺されるかの別世界に振り切れていた人たちとはとても思えませんでした。

 これ以来、ミッション・バラバに関心を持ち、彼らの書いた本は買いあさり、また映画「親分はイエス様」も見てきました。そうしたら、8月2日にこのメンバ−の一人金沢泰裕牧師の講演会が広島であるとのことで、聞きに行ってきました。講演を聞きたいというよりは、どのような感じの人間かを感じてみたかったのです。壇上に上がられたときの印象は、テキヤのアンちゃんという感じで、いわゆる牧師さんとしての雰囲気はありませんでしたが、エネルギ−の固まり、豆タンク(体型も)そのもので、大きな太い声で自分のやくざ人生の10年とその後の生き様を話されました。話の内容は、先生の著書「イレズミ牧師とツッパリ少年達」(集英社1600円)をみていただければと思います。ただゝゞその熱く、途切れることもなく2時間近く、語り続けられるパワ−には感心しました。信仰によって強められているのでしょうか、どんなに激しい風にもびくともしない、との印象を感じさせられました。

 キリスト教徒の家庭に育ち、中学までは教会に通っていたとのことですが、やくざから足を洗おうとして、突然イエス・キリストと出会ったのではないし、思い出したのでもなかったとのことです。われわれは、人生の中で、その都度その都度、いろいろな形でメッセ−ジを受け取っていながら、それに気がつかなかった。後から考えると、それらが神の働きとして一本の線に繋がり、神の摂理を感じざるを得なかった、と語られていました。

 悪い方にフリキレ、それから良い方向にフリキレルことは、ものすごいパワ−を生み出す元になるのでしょう。キリスト教を迫害した後、キリスト教に改宗し、キリスト教をユダヤ教の一セクトから世界宗教に育てたパウロ然り。中庸、節度、常識といったことに捕らわれず、それらを振り切って、目的に向かってまい進するところに道が開けるのでしょうか。