仕事中腰を痛めた技能実習生の強制帰国事件

名 前

 P・G (フィリピン人男性)

会 社

 (株)Y工業
 広島県東広島市

研修種目

 溶接 → 金属プレス

協働組合

 AP
 広島市

概 要

 @研修生の時の残業中に腰を痛めたが帰国させられることを恐れ軽作業への転換を申し入れられないまま仕事を続け悪化した。
 A毎日2時間程度の残業がありと土曜日は勤務日であった。
 B研修生時の残業代は単価500円で実習生となってからまとめて支払うといわれている。

第1報

 2010年6月20日 労働問題セミナーに来る(Rさんの紹介)

問題点

 @研修生時代の労災事故で十分な治療がなされず帰国を選択させられる。
 A残業代単価500円で実習生になってから支払うとのこと
 B通訳はブラジル人で英語で話すが意思疎通できているか不明
 C送出機関と受入協同組合から、「なぜユニオンに連絡したのか、あと二人の研修生も帰国させられる危険性が高い」と脅される
 D帰国時の飛行機代は協同組合負担との話であったが、飛行場で請求された

生活について

 呉教会に泊まり、短期間のため特別心配することは無かった。

経 過

2010年
6月20日

 @幟町教会で開催した労働問題セミナーに参加し、終了後相談を受ける。
 A1年経過し、この日技能実習生に移行した。
 【経過】
 @2009年11月の残業中腰を痛めすぐに会社の人に病院に連れて行ってもらったが、レントゲンで異常はなかった。
 Aこの後も痛みが続いていたが、帰国させられてはいけないので軽作業への転換を申し入れることが出来なかった。
 B2010年5月28日痛みがひどくなり病院にいき、レントゲンを撮ると骨に異常があり、装具を付けることになった。土曜日ごとに通院
  している。
 C治療費は会社が負担している。
 【対応】
 @身体のことを考え、軽作業への転換を申し入れること。
 A強制帰国されないよう支援する。

7月4日

 @幟町教会に来る。
 A背中の症状について先生から仕事を休むように言われた。
 B軽作業への転換も出来そうもないことから帰国することも考えて相談をしたら、1週間後に帰国させると通告された。

7月5日
10時ごろ

 @Y工業H部長に電話
 A本人が帰国したいと聞いているだけで労災のことは知らないので確認するとのこと

7月5日
12時ごろ

 Rさん連絡
 @Y工業に電話した旨伝える。
 A相手の対応が悪く、帰国を早める危険があるかもしれないので注意の電話を入れてもらうように伝える。

7月5日
20:51

 @Rさんから電話で連絡がある。
 A日本とフィリピンの派遣会社から電話がかかってきて、「なぜユニオンに連絡したのか、あと二人の研修生も帰国させられる危険
  性が高い」といわれたとのこと。
 B金曜日まで働いてもらい来週からは休業とし60%の休業手当を支払う。

7月6日
15:14

 @Y工業H部長2度電話するが電話に出ず、電話をもらえなければ入管と監督署に行かざるを得ないと伝言を頼むと電話がかかっ
  てきた。
 A本人が帰国したいとしか聞いておらず、休業のことも残業代のことも一切知らない、話し合いを持つ気は無いとのこと。

7月6日
20:00

 Rさんからの連絡
 (1) P・Gから明日帰国させられることになったと連絡があったとのこと
 @ フィリピン、日本の派遣会社から働けるのか、働けないのなら帰国するか。帰国するならばそれなりの補償を行うとの申し出が
  あったとのこと。
 A 働ける状態に無く、帰国すると応えると、明日、福岡空港から帰国させるので、時間に間に合うように福岡に来るようにとの指示
  があった。
 (2) Rさんに帰ってしまったら治療代や残業代などどのようになるのか不安があると連絡をしてきた。
 (3) 本人が帰国すると言っているが、本心はどうか。日本に留まり会社と交渉する意思が強いのであれば帰国せず、こちらで保護
  し、働く者の相談室くれを窓口として対応するので意思確認をしてもらうように依頼する。
 (4) 本人に確認した結果、帰国せず会社と交渉したいとの希望が強かったとのこと。
 (5) 「今から迎えに行くこともできる。」とのことに対して、一人で福岡まで行くようになっているためその必要はない。明朝6時前の
  バスで東広島駅に行き、広島から新幹線に乗ることになっているため、広島で小松と会うこととした。

7月6日

 @働く者の相談室呉の米今さんと中室さんと連絡を取る。
 A呉教会のジェロム神父さまに連絡がつかないため、Kさんに明日から教会にフィリピン人技能実習生1名を泊めてもらうように
  手配を頼む。

7月7日
8時すぎ

 @朝8時過ぎにP・Gと広島駅で合流し、幟町教会のスティーブ神父さまのところに行き、呉教会での滞在の確認と、カレンターに
  記録された残業記録(3名分)を基に残業代の計算を行う。
 Aこの間、P・Gに通訳やフィリピンの派遣会社から頻繁に電話が入る。

7月7日
16:00

 【協同組合の事務所】
 @P・Gが小松を弁護士と協同組合に話したため土屋さんに仲介を依頼したとのこと。
 A残業代500円の件は、研修生には残業自体ありえないないし、これは本人達から収入を増やしたいとの希望から行っているもの
  で、最低賃金とは関係のないものであると協同組合から説明がある。
 B腰痛関係、残業代と解雇予告手当の支払いを求める。

7月7日
19時前

 @呉教会で、P・G、ジェロム神父、Kさん、米今さんと中室さんに経過報告を行う。

7月9日
14:15

 @昨日来、土屋委員長経由で金額交渉を行い解決する。
 Aこの後協同組合から電話があり、13日に幟町教会で解決金を渡すとのこと。

7月13日
16:00

 @P・G、スティーブ神父、協同組合2名
 A解決金を受領する。
 B帰国の飛行機代については協同組合が負担することを確認する。
 C福岡から15日に帰国することになる。

7月14日

 @大雨で、在来線が全面ストップしたため、急遽福岡に移動させることにした。
 A移動までの間、八木梅林のブックオフに買い物に行きたいとのことで同行し、お土産として時計、アイパッド、デジカメ等購入。
 B18時29分発のぞみで福岡に行き、ホテルに宿泊させ、最終便19時46分発こだまで帰広

7月15日
午前中

 @P・Gから送出機関の中国人通訳から飛行機代を請求されているとの電話が入る。
 A通訳に協同組合が支払うことになっていると話すと、何も聞いていないとのことで、こちらから振り込むので本人に支払わせない
  ようにする。
 B協同組合に電話すると、私達が航空運賃を負担するといっていたが、福岡にいるフィリピンの送出機関からこちらで航空券を
  購入した方が安いとのことで依頼した。私達が購入した場合は負担するといった意味であって、彼らが購入したのであるから請求
  しても当然であるとの回答があり、小松の方で負担する旨通訳に伝えてあると告げる。
 C1時間ほどの後、通訳から自分のカン違いであったと連絡がある。

※ 前日福岡についた時点でP・Gのプリペイドカードは切れており幾つか電話したいとのことで購入したのが幸いした。帰国後、送出
  し機関が問題を起こすことは無かった。