F社会保険・労働保険未加入の例


 会社にとって社会保険料の負担は重いため、日本人に対しても加入手続きを取っていない例は少なくありませんが、特にカキ養殖業で働く日系人にはこの問題が例外なく見られるといってもいい状況です。少なくとも労働保険だけは加入させてもらいたいと思います。
 技能実習生の場合特段問題がありませんが、中には、未加入のママこれらの保険料を徴収されていた例があったと聞いています。それは残業代問題でユニオンに加入して裁判まで行った中国人技能実習生達でした。中国人は漢字が読めるため、市役所から国民年金保険料免除の書類が送られてきたのを見て、賃金から国民年金保険料が控除されていることに疑問を持ったことから分かりました。また、会社で同僚の日本人から暴行を受け、保護をした技能実習生の場合も傷病手当金を申請しようとしたら未加入であることが分かりました。年金事務所に資格確認請求をすると、会社の適用開始届け自体が暴行を受けた後の日付であるため、会社が用開始日の訂正しない限り、適用開始日以前に遡っての加入手続きの指導はできないということもありました。 
 協同組合の役員は3カ月に一回の監査義務を負っているため、賃金台帳の確認だけではなく、資格取得届の確認をすれば済む簡単な話ですが、何もされてないのが実情としか考えようがありません。大事なお客さんの機嫌を損ねたくないため監査また指導できないのが現実なのでしょう。

【労働保険】
 労働保険とは、労災保険と雇用保険の二つを指しています。労災保険は仕事中の事故や疾病また通勤途上の事故や疾病を対象にしているため必要な保険といえます。しかし雇用保険については失業自体ありえない技能実習生に、労働者だからとの理由で、雇用保険の加入を義務づけることには疑問を感じます。受け入れた会社が倒産した場合、また認定職種外の職種に従事させられていることが発覚した場合など、90日間の失業保険を受給しながら移籍先が見つかるまで滞在が認められるのならばまだ納得できますが、すぐにでも移籍先が見つかなければ早々に帰国させられてしまいます。技能実習の在留資格で、求職状態ということはあり得ない話なので当然のことかもしれません。もしも90日間の雇用保険受給が認められた場合、住宅、水道光熱費等必要経費は、会社または協同組合の負担でなければ無理があります。当然、6か月未満の雇用期間しかない場合には、雇用保険自体受給できないため、会社または協同組合から別途生活費の保障が必要となります。

【社会保険】
 社会保険は、健康保険と厚生年金ですが、技能実習生達は3年間の研修に限定されているためもらえる年金とすれば、重い障害を負った場合または死亡した場合の話となります。ただ保険料の掛け捨て防止のため帰国した後に脱退一時金の請求をすることが出来ます。ただ書類を送っても脱退一時金が振り込まれてこないとの連絡が来ることがあります。書類不備で支払われていいない脱退一時金がどの程度あるのか不明ですが、これまで対応できたのは残業代問題で支援した人達とその友人また積極的に教会の活動に協力していた人たちに限られていますので、脱退一時金の請求でトラブルを抱えている人たちも少なくはないとの感触があります。
 書類上は問題ないが、住んでいた市役所で本人確認ができないため支払保留と放置されているケースがありました。申請書と添付したパスポートの写し、年金手帳そして振込先の銀行の証明があるのに何故市役所に存在していたか否かの確認が必要なのかよく分かりません。この技能実習生の場合、外国人登録証を裏表写真に撮っていたので、これを送ってもらい提出したら支払われました。