平成20年度社会保険労務士労働基準法問題

【問1】労働基準法上の総則及び労働契約に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

【問1−A】
 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

【問1−B】
 使用者は、労働契約の不履行について、労働者に対し損害賠償を請求してはならない。

【問1−C】
 何人も、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。

【問1−D】
 使用者は、前借金と賃金とを相殺してはならない。

【問1−E】
 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的な取扱いをしてはならない。


【問2】労働基準法上に定める就業規則等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

【問2−A】
 1人でも労働者を使用する事業場においては、使用者は就業規則を作成しなければならない。

【問2−B】
 就業規則を作成又は変更するに当たっては、使用者は、その事業場に労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者の同意を得なければならない。

【問2−C】
 使用者は、いかなる場合でも就業規則に制裁の種類及び程度に関する事項を必ず記載しなければならない。また、減給の制裁を就業規則に定める場合には、その減給は1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金総額の10分の1を超えてはならない。

【問2−D】
 使用者は、就業規則を、書面を労働者に交付する方法によってのみ、労働者に周知させなければならない。

【問2−E】
 就業規則が法令又は当該事業場について適用される労働協約に抵触する場合には、行政官庁は、当該就業規則の変更を命ずることができる。


【問3】労働基準法に定める賃金等に関する記述のうち、正しいものはどれか。

【問3−A】
 使用者は、賃金を通貨で支払わなければならないが、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、通貨以外のもので支払うことが出来る。

【問3−B】
 使用者は、賃金を、銀行に対する労働者の預金への振込みによって支払うためには、当該労働者の同意を得なければならない。

【問3−C】
 使用者は、1か月を超える期間の出勤成績によって支給される精勤手当について、毎月1回以上支払わなければならない。

【問3−D】
 賃金は、直接労働者に、支払わなければならないが、未成年者の親権者又は後見人は、その賃金を代わって受け取ることができる。

【問3−E】
 使用者は賃金の全額を支払わなければならないが、労働協約に別段の定めがある場合に限って、賃金の一部を控除して支払うことができる。


【問4】労働基準法に定める労働時間等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

【問4−A】
 労働基準法が規制対象とする労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、その具体的な判断においては、労働契約、就業規則、労働協約等の定めに従い決定されるべきであるとするのが最高裁判所の判例である。

【問4−B】
 1日6時間、週6日労働させることは、労働時間の原則を定めた労働基準法第32条の規定に反するものとなる。

【【問4−C】
 使用者は、労働基準法第34条第3項に基づき、休憩時間を自由に利用させなければならないこととされており、使用者がその労働者に対し休憩時間内に職場内で政治活動を行うことを禁止することは許されないとするのが最高裁判所の判例である。

【問4−D】
 労働基準法第38条の4に規定するいわゆる企画業務型裁量労働制を採用する場合には、適用される労働者の同意を得なければならないことにつき労使委員会で決議しなければならないが、労働基準法第38条の3に規定するいわゆる専門業務型裁量労働制の採用に当たって、適用される労働者の同意を得ることについて労使協定で定めることは、労働基準法上も求められていない。

【問4−E】
 労働基準法第41条第2号により、労働時間、休憩及び休日に関する規定の適用が除外されているいわゆる管理監督者については、適用除外の要件として行政官庁の許可を得なければならない。

【問5】労働基準法に定める年次有給休暇に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

【問5−A】
 年次有給休暇の権利は、労働基準法第39条所定の要件を満たすことによって法律上当然に労働者に生ずる権利であって、労働者の請求をまって始めて生ずるものではないとするのが最高裁判所の判例である。

【問5−B】
 労働基準法第39条に基づく年次有給休暇の権利は、雇入れの日から3か月しか経たない労働者に対しては発生しない。

【問5−C】
 労働者の年次有給休暇の時季指定に対し、労働基準法の趣旨として、使用者は、できるだけ労働者が指定した時季に休暇をとれるよう状況に応じた配慮をすることが要請されているものとみることができるとするのが最高裁の判例である。

【問5−D】
 労働基準法第39条第5項の規定に基づき、労使協定により年次有給休暇の計画的付与の定めがなされた場合には、使用者は、年次有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、労働者の時季指定にかかわらず、当該労使協定の定めに従って年次有給休暇を付与することができる。

【問5−E】
 使用者は、労働基準法附則第136条の規定により、年次有給休暇を取得した労働者に対して、賃金の減額その他不利な取扱いをしないようにしなければならないとされているが、不利益な取扱いの理由について行政官庁の認定を受けた場合は、この規定は適用されない。

【問6】労働基準法に定める妊産婦等に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

【問6−A】
 使用者は、労働基準法第64条の2の規定により、妊娠中の女性及び坑内で行われる業務に従事しない旨を使用者に申し出た産後1年を経過しない女性については、坑内で行われる業務に就かせてはならないが、それ以外の女性については、男性と同様に坑内で行われる業務に就かせることが出来る。

【問6−B】
 使用者は、労働基準法第65条第2項の規定により、産後8週間を経過しない女性については、その請求のいかんにかかわらず、就業させてはならない。

【問6−C】
 使用者は、労働基準法第36条第1項の規定に基づく労使協定が締結されている場合であっても、妊娠中の女性及び産後1年を経過しない女性が請求した場合においては、同法第41条各号に掲げる者である場合を除き、時間外労働又は休日労働をさせてはならない。

【問6−D】
 生後6か月の子を養育する男性労働者が、1日2回各々30分の育児時間を請求したことに対し、使用者がその時間中に当該労働者を使用することは、労働基準法第67条第2項に違反する。

【問6−E】
  労働基準法第68条は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、少なくとも月に1日は有給で休暇を与えなければならないとしている。

【問7】労働基準法に定める監督機関、雑則、罰則等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

【問7−A】
 労働基準監督官には、事業場、寄宿舎その他の付属施設物に臨検し、帳簿及び書類の提出を求め、使用者や労働者に対して尋問を行う権限が認められている。

【問7−B】
 労働者は、事業場に労働基準法違反の事実がある場合には、行政官庁又は労働基準監督官にその事実を申告することができ、使用者は、労働者がこの申告をしたことを理由として、当該労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをしてはならない。

【問7−C】
 労働基準法に基づいて支払うべき賃金又は手当を使用者が支払わなかったときは、裁判所は、労働者の請求により、使用者が支払わなければならない未払金のほか、これと同一額の付加金の支払いを命じなければならない。

【問7−D】
 労働基準法第116条第2項の規定により、同居の親族のみを使用する事業及び家事使用人については、労働基準法は適用しないものとされている。

【問7−E】
 労働基準法は、同法が定める規定に違反する行為をした者に対して罰則を定めているだけではなく、その事業主に対しても罰金刑を科すものとしているが、事業主が違反の防止に必要な措置をした場合においては、当該事業主に対しては罰金刑を科さないものとしている。