平成20年度社会保険労務士労働基準法問題


【問6−E】正解

[問題解説の主旨]
 「第6章の二 女性」の中に、第65条で産前産後、第67条で育児時間、第68条で生理休暇が定められていますが、いずれも条文中に賃金について記載がありませんので、使用者に賃金の支払い義務はないことになります。

[条文]
第68条 使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない。

[解説]
 休暇で賃金が支払われるのは、第26条の休業手当、第39条の年次有給休暇、第76条の休業補償などがあります。いずれも条文中に支給方法・割合等が記載されています。しかし、ここで問題となっている第68条の生理休暇や65条の産前産後また第67条の育児時間については賃金のことが記載されてないので無給でも有給でもかまわないということになります。そのため、「生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求した場合、その間の賃金は労働契約又は就業規則で定めるところによって支給しても、しなくても差支えないと解してよいか。」の回答として、「見解の通り。」との通達(昭63.3.14基発150号)があります。
 生理休暇の日数についても定められていませんので取得日数の制限を設けることはできないことになりますので、「客観的な一般的基準は定められない。したがって就業規則その他によりその日数を限定することは許されない。ただし、有給の日数を定めておくことはそれ以上休暇を与えることが明らかにされていれば差支えない。」(昭63.3.14基発150号)とされているように、有給の生理休暇の日数制限は可能であっても、それに加えて無給の生理休暇の取得を制限することまでは認められていません。
 生理休暇について問題となる点をいくつか挙げてきます。
  ・生理休暇を取得した場合には精勤・皆勤手当の減額も問題はない。
  ・生理休暇は半日単位また時間単位で与えてもかまわない。(年休は半日単位まで)
  ・生理休暇取得には診断書等必要ない。
 ただ、次のような判例があります。
 「賃金引き上げ対象者から稼働率80パーセント以下の者を除く協約条項につき、その稼働率算定基礎の不就労時間に生理休暇を含めることは権利行使を抑制し、法が労働者に権利を保障した趣旨を実質的に失わせるものであり、この制度を定めた労働協約条項は無効」(最高平元.12.14)