平成20年度社会保険労務士労働基準法問題


【問4−C】誤り

[問題解説の主旨]
 【問4−A】同様判例からの問題ですから、判例の知識がなければ回答できませんが、条文の知識がしっかりしていれば正答が他の選択肢にあるので問題ないといえます。実務上はこうした知識が必要となりますが、試験では迷えば無視して考えるのがいいと思います。

[条文]
第三十四条
 使用者は、労働時間が六時間を超える場合においては少くとも四十五分、八時間を超える場合においては少くとも一時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
A 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
B 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。
【罰則:6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金】

[解説]
 ここでは休憩時間の自由利用についての判例の知識が問われています。通達や判例を紹介しておきます。
(1)

 休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差し支えないこと。(平11.3.31 基発168号)

(2)

 休憩時間中の外出について所属長の許可を受けさせることは、事業場内において自由に休息し得る場合には必ずしも違法にはならない。(昭23.10.30 基発1575号)

(3) 判例

 「使用者は本条三項の規定により、労働者に対し休憩時間を自由に利用させる義務を負うが、使用者がその事業施設に対する管理権を有する以上、右権利の行使として施設内における労働者の休憩時間中の特定の行動を規制しても、それが労働による疲労の回復のための休息という休憩制度本来の目的を害しないかぎり、また施設管理権の濫用とならないかぎり違法ということはできない。」(大阪高43.9.26他)
  ※ 「特定の行動を規制」
   @ 労働時間の途中である観点からの「労働規律上の制約」・・・・飲酒禁止等
   A 建物・設備等の管理の観点からの「企業施設管理上の制約」・・会議室無断使用の禁止等
   B 多数の労働者に完全な休息を与える為の観点からの「企業秩序維持上の制約」
     ・・・休憩時間中に大声を発するなど他の労働者の休息妨げの禁止、また、賭博等秩序紊乱行為の禁止


一斉付与に関しての通達・判例です。

(1) 規則第31条に定める業種は一斉付与する必要はない。
  @運輸交通業 A商業 B金融・広告業 C映画・演劇業 D通信業 E保健衛生業< F接客娯楽業 G官公署の事業
(2) 労使協定により一斉に休憩を与えないことができる。
 「労使協定には、一斉に休憩を与えない労働者の範囲及び当該労働者に対する休憩の与え方について定めなければならないものであること。」(平11.1.29 基発45号)
(3) 判例
 @ 「昼の休憩時間に担当者の申合わせにより当番制で交替に就業しても、職務の性質上、就業時間の管理が緩やかであり、就業時間の一部を適宜代替の休憩時間に充当することが慣行として行われている場合には、休憩時間中に就業することによる賃金請求権は生じない。」(東京地59.3.29)