平成20年度社会保険労務士労働基準法問題


【問3−D】誤り

[問題解説の主旨]
直接払いの原則に例外があるのかという問題になります。

[条文] 【問3−A】参照

[解説]
 民法で定める代理権また委任契約の関係と労働基準法の条文との関係になります。この場合、特別法である労働基準法の定めが優先されることになり、たとえ未成年者の親権者や後見人に対しても支払うことはできません。以下の通達があります。
 「法第24条第1項は労働者本人以外の者に賃金を支払うことを禁止するものであるから、労働者の親権者その他の法定代理人に支払うこと、労働者の委任を受けた任意代理人に支払うことは、いずれも本条違反となり、労働者が第三者に賃金受領権限を与えようとする委任、代理等の法律行為は無効である。ただし、使者に対して賃金を支払うことは差し支えない。」(昭63.3.14基発150号)使者と代理人の区別は難しいため、本人が何らかの事情(病気、出張等)で賃金を受領できないため家族が受領する場合などが使者に該当するといえます。
 次に、多重債務等のため民事執行法に基づいて賃金の差し押さえを受ける場合がありますが、この場合は、労働基準法の定めではなく、民事執行法に基づいた金額の範囲内で応じざるをえないことになります。