平成20年度社会保険労務士労働基準法問題


【問2−C】誤り

[問題解説の主旨]
  就業規則に記載する内容は労働基準法で定められており、設問の懲戒規定が絶対的記載必要事項に該当するかどうか、また後段の減給の制裁の内容が適切かどうかということになります。

[条文]
(制裁規定の制限)
第91条 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、一回の額が平均賃金の一日分の半額を超え、総額が一賃金支払期における賃金の総額の十分の一を超えてはならない。
【罰則: 30万円以下の罰金】

[解説]
 就業規則への記載については、【問2−A】の解説に記載した絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項をみると「表彰および制裁に関する事項」は相対的必要記載事項とされていますので、必ずその内容を定めて記載する必要はありません。後段の減給の制裁は条文どおりとなっています。
 条文の減給の制裁については、「法第91条は、一回の事案に対しては減給の総額が平均賃金の一日分の半額以内、又は一賃金支払期に発生した数次案に対する減給の総額が、当該賃金支払期における賃金総額の十分の一以内でなければならないとする主旨である。(昭23.9.20 基収1789号)」との通達があります。
 減給の制裁とは、あくまでも労働者が就業規則に定める懲戒事由に該当した場合に課せられる罰則ですから、遅刻早退によりその時間分の賃金をカットされる場合には、ノーワークノーペイの原則によるものですから、減給の制裁には当たりません。しかし労働契約違反として、さらに罰金を課されたり、遅刻早退の時間分の賃金を超えた賃金カットが行われた場合には、制裁と見なされることになります。
 精勤・皆勤手当は欠勤日数に応じて減額されるのが一般的ですが、これが減給の制裁に該当するかどうかという問題があります。就業規則等に、精勤・皆勤手当は1日欠勤したときは○○円の減額とか遅刻・早退3回で1日の欠勤とみなすとかの支給条件が記されているように一定の条件が充たされることによって支給額が決定されるというものです。従って、欠勤が発生すれば請求権自体発生しない仕組みとなっていますのでこうした減額は減給の制裁に該当するとはいえません。欠勤、遅刻・早退のとき当該部分の賃金がカットされるのと同じように考えればいいといえます。