平成20年度社会保険労務士労働基準法問題


【問2−B】誤り

[問題解説の主旨]
 就業規則の作成手続きについて明確に理解できていれば問題なく回答できます。しかし、平成20年3月から施行された労働契約法との関係から混乱された人もいるかもしれません。

[条文]
(作成の手続)
第90条 使用者は、就業規則の作成又は変更について、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
A 使用者は、前条の規定により届出をなすについて、前項の意見を記した書面を添付しなければならない。
【罰則: 30万円以下の罰金】

[解説]
 前問が就業規則の作成、この問題は作成に関する手続きを定めたものです。条文にあるように労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者の意見を聴き、その意見書を添付して労働基準監督署に提出しなければ、30万円以下の罰金が課せられることになります。一方、労働契約法では、第9条で「使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない。ただし、次条の場合は、この限りではない。」とされています。労働契約法では基本的に合意が必要ともいえます。また、労働契約法第11条で就業規則の変更手続きは労働基準法の定めるところによるとなっていますので、いずれであっても、意見を聴いておけばいいということになります。この辺りのことについての通達を載せておきます。

@ 意見聴取の程度
 「就業規則に添付した意見書の内容が当該規則に全面的に反対するものであると、特定部分に関して反対するものであるとを問わず、又その反対事由の如何を問わず、その効力の発生についての他の要件を具備する限り、就業規則の効力には影響がない。」(昭24.3.28 基発373号)

A 就業規則の受理
 「労働組合が故意に意見を表明しない場合又は意見書に署名又は記名押印しない場合でも、意見を聴いたことが客観的に証明できる限り、これを受理するように取り扱われたい。」(昭23.10.30 基発1575号)。