平成20年度社会保険労務士労働基準法問題


【問1−E】 正解

[問題解説の主旨]
 法律の条文そのものが出題されています。

[条文]
(男女同一賃金の原則)
第4条 使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
【罰則:6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金
(均等待遇)
第3条 使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
【罰則:6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金】

[解説]
  労働基準法は女性に対してこの条文以外男性との差別的取り扱いをしてはならないとしたものは無く、むしろ差別的取り扱い規定を定めています。しかし、女性の社会進出に伴い男性との差別的取扱いが廃止されてきました。例えば、深夜業の就労や一部の坑内業務への禁止を残して坑内業務への就業などがそうです。しかし、母性保護の視点等から妊娠中の女性や使用者に申し出た産後1年を経過しない女性の坑内労働の禁止や一定の危険有害業務については女性を使用してはならないと定めています。採用前のことを含めて男女間の差別的取り扱いを禁止した法律として男女雇用機会均等法が定められています。この条文に関する通達を3つ紹介します。

1.本条の趣旨
 「本条の趣旨は、わが国における従来の国民経済の封建的構造のため、男性労働者に比較して一般に低位であった女性労働者の社会的、経済的地位の向上を賃金に関する差別待遇の廃止という面から、実現しようとするものであること。」(昭22・9・13基発17号、平9・9・25基発648号)

2.「女性であることを理由」
『「女性であることを理由として」とは、労働者が女性であることのみを理由として、あるいは社会通念として又は当該事業場において女性労働者が一般的に能率が悪いこと、勤続年数が短いこと等を理由とすることの意であり、これらを理由として、女性労働者に対し賃金に差別をつけることは違法であること。』(昭22・9・13基発17号、平9・9・25基発648号)

3.賃金体系も含む
「賃金体系、賃金形態等について差別的取扱いを含むと解すべきであろう。」(基準局労基法P80)