平成20年度社会保険労務士労働基準法問題


【問1−C】正解

[問題解説の主旨]
  法律の条文そのものが出題されています。

[条文]
(中間搾取の排除)
第6条 何人も、法律に基いて許される場合の外、業として他人の就業に介入して利益を得てはならない。
【罰則:6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金】

[解説]
 この規定は、「本条は、新憲法の個人の人格の尊重、基本的人権の確立の趣旨に則り我国の労働関係に残存する封建的弊害たる親分子分の従属関係や労働者の人格を無視した賃金の頭ハネ等の絶滅を期すものである。・・職業安定法及び船員職業安定法の規定する範囲よりも広く労働関係の開始についてのみならず、其の存続についても、第三者の介入することにより生ずる弊害を排除することを目的とするものである。」(昭23.3.2基発381号)と規定されているように、就業に当たって使用者と労働者の間に第三者が介入することに伴う弊害を防止することを目的としています。
 労働者の募集また労働者の職業紹介は職業安定法によって規制されており、職業安定法第30条は有料職業紹介事業として労働厚生大臣の許可を得た事業所以外の者が職業として就職の斡旋をしてはならないと定めています。また、無料職業紹介事業についても定めており、これには学校などが該当しています。知り合いの会社に友人の子供を紹介するケースなどは該当しませんが、たびたび行っているような場合には、「業として」に該当すると考えられます。
 似たようなものに、派遣労働者の場合がありますが、これについては次の通達によりこの条文違反とはならないとされています。
「働者派遣については、派遣元と労働者との間の指揮命令関係を合わせたものが全体として当該労働者の労働関係となるものであり、したがって派遣元による労働者の派遣は、労働関係の外にある第三者が他人の労働関係に介在するものではなく、労働基準法第6条の中間搾取に該当しない。」(平11.3.31基発168号)

職業安定法
(委託募集)
第三十六条 労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。
A 前項の報酬の額については、あらかじめ、厚生労働大臣の認可を受けなければならない。
B 労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えることなく労働者の募集に従事させようとするときは、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならない。
(報酬受領の禁止)
第三十九条 労働者の募集を行う者及び第三十六条第一項又は第三項の規定により労働者の募集に従事する者(以下「募集受託者」という。)は、募集に応じた労働者から、その募集に関し、いかなる名義でも、報酬を受けてはならない。
(報酬の供与の禁止)
第四十条 労働者の募集を行う者は、その被用者で当該労働者の募集に従事するもの又は募集受託者に対し、賃金、給料その他これらに準ずるものを支払う場合又は第三十六条第二項の認可に係る報酬を与える場合を除き、報酬を与えてはならない。
(労働者供給事業の禁止)
第四十四条 何人も、次条に規定する場合を除くほか、労働者供給事業を行い、又はその労働者供給事業を行う者から供給される労働者を自らの指揮命令の下に労働させてはならない。
(労働者供給事業の許可)
第四十五条 労働組合等が、厚生労働大臣の許可を受けた場合は、無料の労働者供給事業を行うことができる。