平成20年度社会保険労務士労働基準法問題

【問1−A】正解

[問題解説の主旨]
 法律の条文そのものが出題されています。
[条文]
 (強制労働の禁止)
第5条 使用者は、暴行、脅迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘束する手段によつて、労働者の意思に反して労働を強制してはならない。

【罰則:1年以上、10年以下の懲役又は20万円以上、30万円以下の罰金】

[解説]

 憲法18条は、「何人も、いかなる奴隷的拘束も受けない。又、犯罪に因る処罰の場合を除いては、その意に反する苦役に服させられない。」と定めており、労働の分野においても、当然に適用されるものとして記載されています。また、この条文と同じ内容を持った労働基準法の規定として、賠償予定の禁止(16条)、前借金相殺禁止(17条)そして強制貯金禁止(18条)の規定などがあります。
 常時10人以上の労働者を使用している事業所は就業規則を定め、労働者代表の意見書を添付して労働基準監督署に提出する必要がありますが、この就業規則の懲戒規定の定め方によっては「不当に拘束する手段」と見なされる場合もありますが、「就業規則に規定する懲戒罰中社会通念上認められるものは含まれぬ。」とされ、「「不当」とは本条の目的に照らしかつ個々の場合において、具体的にその諸条件をも考慮し、社会通念上是認し難い程度の手段の意である。したがって必ずしも「不法」なもののみに限られず、たとえ合法的なものであつても「不当」なものとなることがある。」 (昭23.3.2基発381)とされています。