平成17年度社会保険労務士労働基準法問題

【問4−E】 誤り

[問題解説の主旨]
 前門と同じ計画的付与について聞かれています。計画付与は、「有給休暇の日数のうち5日を超える部分」となっています。年次有給休暇の時効は発生した日から2年間ですから、繰越部分と当年度に発生した部分とがありますが、計画的付与は当年度発生した部分のみが対象とのなるのでしょうか。

[条文]  

  (略)
第39条の条文は【問4−A】を参照ください。

[解説]
 この問題を読むと、年次有給休暇を行使するのは時効として繰り越された部分を優先して消化していくのか、それとも新たに発生したものから行使していくのかといった問題も考えられます。条文上両者は区別して考えられていませんので、当然、年次有給休暇とは、繰越部分と新規発生分を含めたものと考える必要があります。繰越部分から年次有給休暇を行使したものとして事務処理していくのが普通でしょうし、計画的付与についても繰り越し部分と新規発生部分を含めて考えるのが常識的な判断ではないでしょうか。それをわざわざ就業規則で「年次有給休暇は新たに発生したものから使用したものとする。」また「年次有給休暇の計画的付与をする場合には、当年度発生した日数のうち5日を越える日について計画的付与の対象とする。」と規定しても公序良俗に反するものとして法律的には無効になるといえます。
 時効となる年次有給休暇を買い上げる規定を就業規則に定めている会社もあると思いますので、この当たりのことに触れておきます。
 「年次有給休暇の買い上げの予約をし、これに基づいて法第39条の規定により請求し得る年次有給休暇日数を減じないし請求された日数を与えないことは、法第39条の違反である。」(昭30.11.30 基収第4718号)とされています。これは、あくまでも、事前に年次有給休暇の買い上げをし、その日数分年次有給休暇を減らすといった場合に限ったものですから、次の場合には買い上げも認められることになります。
  @ 年度が替わり、時効として消滅した年次有給休暇を買い上げることは認められます。
  A 会社によっては、基準法以上の日数を年次有給休暇として付与している場合もありますので、法定日数を超える部分については、買い上げの良し悪しの問題は発生しません。