平成17年度社会保険労務士労働基準法問題

【問4−A】 正解

[問題解説の主旨]
 1週間に1日の勤務のようなパ−トタイム労働者であっても、採用の日から6か月継続勤務した場合には年次有給休暇が発生しますが、6か月に達する前に労働条件が変更になった場合には、年次有給休暇の付与日数についてどのように判断していくかを質問しています。

[条文]

 第39条 使用者は、その雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
2 使用者は、1年6箇月以上継続勤務した労働者に対しては、雇入れの日から起算して6箇月を超えて継続勤務する日(以下「6箇月経過日」という。)から起算した継続勤務年数1年ごとに、前項の日数に、次の表の上欄に掲げる6箇月経過日から起算した継続勤務年数の区分に応じ同表の下欄に掲げる労働日を加算した有給休暇を与えなければならない。ただし、継続勤務した期間を6箇月経過日から1年ごとに区分した各期間(最後に1年未満の期間を生じたときは、当該期間)の初日の前日の属する期間において出動した日数が全労働日の8割未満である者に対しては、当該初日以後の1年間においては有給休暇を与えることを要しない。

6ヶ月経過日から起算した継続勤務年数・労働日
1年
1労働日
4年
6労働日
2年
2労働日
5年
8労働日
3年
4労働日
6年
10労働日

3 (略)1週間の所定労働時間が厚生労働省令で定める時間に達しない者、すなわち1週30時間未満の者に対する規定がされています。
4 使用者は、前3項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。ただし、請求された時季に有給休暇を与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては、他の時季にこれを与えることができる。
5 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、第1項から第3項までの規定による有給休暇を与える時季に関する定めをしたときは、これらの規定による有給休暇の日数のうち5日を超える部分については、前項の規定にかかわらず、その定めにより有給休暇を与えることができる。
6 使用者は、第1項から第3項までの規定による有給休暇の期間については、就業規則その他これに準ずるもので定めるところにより、平均賃金又は所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金を支払わなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、その期間について、健康保険法(大正11年法律第70号)第99条第1項に定める標準報酬日額に相当する金額を支払う旨を定めたときは、これによらなければならない。
7 労働者が業務上負傷し、又は疾病にかかり療養のために休業した期間及び育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律第2条第1号に規定する育児休業又は同条第2号に規定する介護休業をした期間並びに産前産後の女性が第65条の規定によつて休業した期間は、第1項及び第2項の規定の適用については、これを出勤したものとみなす。

(通常勤務の労働者)
雇入れの日から起算した継続勤務期間の区分に応ずる年次有給休暇の日数
6ヶ月1年6ヶ月2年6ヶ月3年6ヶ月4年6ヶ月5年6ヶ月6年6ヶ月以上
10日
11日
12日
14日
16日
18日
20日

(短時間勤務の労働者)
短時間労働者の週所定労働時間短時間労働者の週所定労働日数短時間労働者の1年間の所定労働日数(週以外の期間によって労働日数が定められている場合)雇入れの日から起算した継続勤務期間の区分に応ずる年次有給休暇の日数
6ヶ月
1年6ヶ月
2年6ヶ月
3年6ヶ月
4年6ヶ月
5年6ヶ月
6年6ヶ月
以 上
30時間以上
10日
11日
12日
14日
16日
18日
20日
30時間
未満
5日以上
217日以上
4日以上
169〜216日
7日
8日
9日
10日
12日
13日
15日
3日
121〜268日
5日
6日
6日
8日
9日
10日
11日
2日
73〜120日
3日
4日
4日
5日
6日
6日
7日
1日
48〜72日
1日
2日
2日
2日
3日
3日
3日

[解説]
  1週間の労働時間が30時間未満の労働者には、30時間以上勤務する労働者に対して付与される年次有給休暇を基礎として実際に勤務する日数に比例した年次有給休暇が付与されています。これを比例付与といって次の計算式で計算します。
 比例付与日数=通常勤務者に付与される日数×(週所定労働日数÷5.2)
 ※ 週2日勤務の場合の例(6か月経過日) 3日=10×(2÷5.2)
 ※ 通常労働者の1週間の所定労働日数を5.2日とする。
 ※ 端数は切り捨てる。
 上記、(短時間勤務の労働者)の表がこれにより計算した日数となります。

 雇用された日以後、勤務日数に変更が無ければ年次有給休暇の付与についてなんら問題はありませんが、6か月経過日までに、また、年次有給休暇を付与した後に、勤務日数に変更があった場合など、どのように取扱えばよいのかについてが、この問題の主旨ということになります。
 年次有給休暇の権利の発生については、「労基法第39条1、2項の要件が充足されたときは、当該労働者は法律上当然に右各項所定日数の年次有給休暇の権利を取得し、使用者はこれを与える義務を負う」との最高裁判例があります。要するに、権利が発生する日現在の労働契約の内容によって決まることになります。また、「法第39条第3項の適用を受ける労働者が、年度の途中で所定労働日数が変更された場合、休暇は基準日において発生するので、初めの日数のままと考える」(昭63.3.14基発150号)との通達もあります。