社会保険についてごぞんじですか?   
 
    出産貸付制度についてご存知ですか


   戦後の復興期、高度成長期を経て、経済大国として一億総中流の時代に入り、バブル崩壊後の不況期とはいえ、個人生活の面においてはかなり高水準な生活を楽しんでいる感じを受けます。その背景には年金、健康保険や生活保護等を中心とした社会福祉制度の充実があるのではないでしょうか。しかし、誕生・結婚・出産・子育て・死亡という社会的ライフサイクルが狂い、晩婚化、少子高齢化社会への変化が社会福祉制度を根幹から揺るがし、崩壊寸前の状況にあります。ちなみに、合計特殊出生率と平均初婚年齢等をみると次のようになっています。

昭和30年平成14年
合計特殊出生率2.37人1.32人
平均初婚年齢 男26.6歳29.1歳
平均初婚年齢 女23.8歳27.4歳
65歳以上の人口5.3%18.5%

   この調子で推移すれば社会福祉制度自体成り立たなくなってしまい、「あとは自助努力で頑張ってください」となってしまわざるを得ないのではないでしょうか。人口が増えるということは、出産費用またその後の養育費・教育費等が必要になってきます。当然こうした費用について行政はいろいろな施策をとっています。その一つに健康保険の出産に対する保険給付がありますので社会保険についてこのあたりのことをみていきたいと思います。(国民健康保険では市町村により給付の有無・金額が違うので除きます。)

 健康保険では、正常に子供を生むこと自体病気とは扱われていませんので帝王切開するとかの異常分娩でない限り医療費としての保険給付はありませんが、被保険なり被扶養者(配偶者ではありませよ!)なりが出産すれば出産育児一時金として1児につき30万円が保険給付されます。不幸にして流産された場合には、妊娠後85日以降であれば対象になります。(注1)また、被保険者が分娩する場合で、原則賃金が無ければ標準報酬日額の60%の出産手当金(産前42日、産後56日(多胎妊娠は98日))を受給することができます。

蛇足にはなりますが、妊娠85日以降であれば死産でも保険給付されることは説明したとおりですが、死産ではなく、生まれた直後に亡くなった場合には、埋葬料も合わせて請求できます。

 出産育児一時金ははあくまでも出産後にしか受給できませんので若い方にとっては重い負担となります。これを救済する措置として、出産予定日まで1ヶ月以内の方または妊娠85日以上で一時的な支払を要する方については、24万円まで無利子で貸し付けを受けられる制度があります。後日、出産育児一時金と精算され差額が支給されることになります。

 最後に、退職時まで1年以上被保険者期間がある被保険者自身が、退職後6ヶ月以内に出産すれば出産育児一時金および出産手当金が、退職後3ヶ月以内に死亡すれば埋葬料が標準報酬月額の1ヶ月分退職前の保険者に請求できます。当然、退職後の保険者には重複請求できませんので損得勘定のうえ決定してみてはいかがでしょうか。

(注1)広島市の場合は出産育児一時金は30万円支給されます。(妊娠後85日以降の流産も含む)