傷病手当金についてご存知ですか?

   労災保険の特別加入の中で触れられていた健康保険から業務外の傷病で勤務できず賃金が支払われない場合に支給される傷病手当金について見ていきます。
 傷病手当金ですから健康保険法に基づく給付ということになりますが、国民健康保険にも傷病手当金の制度があります。とはいっても、傷病手当金が支給できるのは条例または規約に定めた場合となっていますので、市町村が条例に定めているケ−スはまずないようです。しかし全国建設工事業国民健康保険組合また全国土木建築国民健康保険組合などでは規約に傷病手当金を支給すると定めており国民健康保険では珍しいといえます。ちなみに支給内容は次のようになっています。

支給期間
支給額
その他
全国建設工事業国保組合
90日が限度
1日4000円
  
加入後3ヶ月は支給せず
全国土木建築国保険組合
一般 1年6ヶ月
日雇   6ヶ月
一般 日額の6割
日雇 日額の5割
4日目から支給


   その他、共済組合や船員保険等もありますが、ここでは触れずに、健康保険法に基づく傷病手当金について見ていきます。ただし、健康保険組合は、規約で傷病手当附加金や延長傷病手当附加金の制度を独自に設けることができますのでその内容については、健康保険組合に確認してみてください。

待期期間
支給期間
給付額
その他
連続3日
1年6ヶ月
日額の60%
賃金や障害年金が支給されるときは原則支給停止。
但し、傷病手当金の額が多ければ差額支給される。

 傷病手当金で注意しなければいけない事項をいくつか挙げておきます。

  【病気について】
 一つの病気が治癒するまでの期間が対象となるので、足を骨折したらそれが治れば終わりで、同じ場所を再度骨折すれば別な怪我とし新たに支給されます。しかし糖尿病のように一生治療を継続していかなければならない病気であれば、支給開始日から1年6ヶ月を経過すれば、糖尿病で、また糖尿病に起因する他の病気であっても支給されません。それと傷病手当金請求書には医師の意見を書いてもらう欄がありますが、実際に労務不能の病名のみ記載してもらう必要があります。例えば、大腿骨骨折で労務不能となったにも拘らず持病の狭心症も記載されていたとすれば、6ヶ月後に職場復帰し、その1ヵ月後に狭心症で労務不能になっても、支給期間は大腿骨骨折の支給開始日から1年6ヶ月となり手続き上面倒なことになる可能性があります。

  【待期期間】
 傷病手当金は労務不能で休み始めた4日目から給付されますが、この3日間は待期期間と呼ばれ、連続した3日間休んでいる必要があります。賃金が支給されているか否かは問題ありませんし、日曜日などの休日が含まれていても構いません。普通は年休で相当期間休んでいると思いますのでこの期間に連続3日以上休んでおればよいことになります。こうしたことから第1回目の請求に当たって、支給対象期間欄に実際に支給されるべき期間すなわち賃金が支給されなくなった日以降の期間を記載してしまうと最初の3日間を待期期間とみなされて3日分少ない傷病手当金しか支給されませんので、第1回目については実際に休務した日から記載する必要があります。

  【資格喪失後の給付】
 傷病手当金は、支給開始日から1年6ヶ月が経過するまでの期間支給されますから、途中で退職した場合であっても資格喪失後の給付として支給されます。また、労務不能であったが退職日まで年休をとっていたため傷病手当金の支給が受けられなかった場合であっても退職した日の翌日から1年6ヶ月までは国民健康保険に加入したとしても労務不能であれば支給されます。また、退職後、任意継続被保険者となっている場合であっても労務不能の状態が発生すれば支給されます。この場合よく質問されることに、退職後任意継続するのと国民健康保険に加入するのとどちらが得かというのが有ります。保険料面からだけみれば退職時期によりますが1年後に国保に切り替えるのがいいかもしれません。しかし、事故に遭ったり、病気になった場合には全く違った結果になってしまいます。全て終わってしまわないと損か得か判断できないのが実状です。