初診料などの算定方法をご存知ですか? @

 読売新聞の、平成15年8月23日付「健康&医療」の欄に、「医療費ここが疑問」のテ−マに寄せられた投稿として、電話で問い合わせたときの電話再診料の問題が取り上げられていました。「診療報酬制度は医療機関も悩むほど複雑で、ケ−スごとの判断になる部分もあるようです。ただ、患者側への制度の説明はあまりにも少ないのが現状です。」と結論づけられていました。

 基本的な診察料に該当するものとして、初診料、再診料、指導管理料などありますが、一番単純に思われる初診料の算定自体、非常に複雑な問題がありますので、そのあたりを中心に触れてみたいと思います。
 まず、診療所と病院の区別を理解しておいてください。この区別は医療法で定められており、病院は、必ず○○病院という名称を使っています。そのためには、ベッドの数が20以上必要です。従ってベッド数19以下はすべて診療所ということになります。○○医院とか○○クリニックとの呼称を使っているところが診療所に該当します。診察料自体、診療所の方が少し高めに設定されています。

 初診料算定の原則は、「患者の傷病について医学的に初診といわれる診療行為があった場合に、初診料を算定する」となっています。ただし、この原則は、他に傷病がなかった場合の話しで、他の傷病で治療中であれば、初診料は算定できません。例を挙げると、健康な人で、昨日、手にトゲが刺さったので診療所で抜いてもらい治りました。今日、風邪をひいたので同じ診療所に行きました。この場合、トゲの治療はその日のうちに治癒しているので、初診料は、それぞれで、計2回算定されることとなります。この人が、以前から高血圧症で治療中であれば、2回とも初診料は算定できず、再診料を算定するということになります。

 では、次のケ−スはどうでしょうか。健康だった子供が、@8月1日に風邪をひいて診療所に行き、3日分の薬をもらって飲んだら治りました。A10日にまた風邪をひいたので、同じ診療所に行き、3日分の薬を貰い飲んでいたが治らないので、薬を貰いに行こうと思いながら通院できませんでした。そしてB20日に風邪がまたひどくなり、同じ診療所にかかりました。一般的には、診療所では、3回とも初診料を算定するでしょう。ただ、原則論から行くと、20日の診療は、10日の風邪が継続しているわけですから、初診料は算定できないことになります。このように患者さんが、治療を中断した場合は、原則1ヶ月を経過すると同一疾病であっても初診料を算定できると定められています。ただ、風邪の場合、5日程度で治癒するのが普通ですから、薬も3日分から5日分しか出ないはずです。従って、再度、薬を取りに来なかったら、治癒とみなして、初診料を算定するのが一般的ではないかと思います。

 今、「治療を中断した場合は、原則1ヶ月を経過すると・・」と書きましたが、これは、「慢性疾患等明らかに同一の疾病又は負傷であると推定される場合の診療は、初診として取り扱わない」と定められているからです。従って、糖尿病や胃潰瘍の人が治療を中断した場合には、初診料でなく、再診料を算定することとなります。ただ、こうした疾病の場合、再診であれば、指導管理料が別途算定できるので、こちらの方が診療所にとっては有利であるといえます。さらに例外として、「喘息、癲癇等再三発作を繰り返す疾病において短期間の診療によって軽快し、継続して治療を要せずその間労務及び日常生活にも支障がない場合は、一発作期間を一疾病として取り扱う。」との通達があります。だからといって単純に初診料で、というわけにもいきませんので、患者さんの状況に応じて運用していくこととなります。

 「治療中断1ヶ月」についてさらに発展させると、お医者さんが、「3ヶ月、場合によっては、6ヶ月先に来てください。」と指示された場合には、当然、中断ではありませんので、初診料は算定できません。しかし、かなり昔ですが、我が家の子供が、このケ−スで初診料を算定されました。なぜ、初診料を算定されたのが分かったかと言うと、保険証を忘れていったため、医療費の全額を徴収されたので、7割部分は家族療養費として健保組合に申請して返還してもらおうと領収書を見たからでした。すぐ、窓口に電話をしたら、「前回の診察から1ヶ月経過しているので理由の如何を問わず初診料を算定する規則になっている。」とのことで、上記のことを説明しても、「規則だから例外は認められない。」との一点張りで、話が進まず、監督官庁から指導してもらい、清算してもらったことがあります。これ以後、システムを改められましたが、そこは大学病院でしたから、それ以前の不当利得は相当な額だったろうと思います。

 ちなみに診療所での初診料は、2,700円、再診料は1,330円(1回目)、指導管理料が2,250円です。しかし、再診料は、同一月の再診2回目以降は、減額されていきますし、ここにあげた1,330円には、外科的な治療を受けた場合には算定できない額520円を含んでいます。また、指導管理料は、初診料を算定した日から、1ヶ月は算定できないとの決まりもありますし、算定できる病気も限定されています。