食中毒が発生したら


  全日空ホテルで40人食中毒  広島市保健所は9日、同市中区の広島全日空ホテル(栃内一郎社長)で集団食中毒が発生したと発表、同ホテルの主厨房などの調理施設3か所を営業禁止処分した。
 同保健所によると、同ホテルで3日昼に開かれた結婚披露宴に出席した93人のうち、共通のコ−ス料理を食べた11〜75歳の男女40人が下痢やおう吐などの症状を訴えた。うち東京都の20歳代の男性一人は一時入院したが、全員快方に向かっているという。
 別の患者が受診した市内の診療所から連絡を受けた市は、コ−ス料理を原因とした集団食中毒と断定。同ホテルは出席者全員に謝罪し、調理を別施設で行って営業を続ける。
 (読売新聞H17.12.10)

   お正月早々、食中毒の話、それも結婚式でのことが題材になるとあまりいい気分ではないかもしれませんが、食中毒の新聞記事は時々見かけます。大きな問題になった病原性大腸菌O157集団感染では保育園を訴え裁判になっているものもあります。
 こうした新聞記事を読むと医療費の問題はどうなったのかとすぐ考えてしまいます。交通事故の場合、飼い犬に噛まれた場合また暴行を受けた場合と同じですから当然食中毒を発生させた加害者が負担しなければなりません。しかし、大抵は健康保険証を持って医療機関を受診し、食中毒と診断(注1)されても医療機関の窓口で第三者障害として処理(注2)するようには指導されないと思われますので、窓口での一部負担金(医療費の3割部分)は自分で、そして残りの7割部分は保険者が支払うことになります。しかし、お見舞金なり示談金を持ってくるでしょうからそれで一件落着と考えてしまったのでは、保険者が負担している7割部分は未請求のまま残ったままとなり、保険者が加害者からこの医療費を受領しない限りこの食中毒事件が解決したとはいえません。そのため被害者は、保険者に対して第三者に起因する傷病が発生すれば「第三者行為による傷病届」の提出しなければなりません。この届けがでておれば、レセプトが到着次第、加害者に医療費の7割部分を求償していくことになります。この食中毒事件ではたいした医療費はかかっていないでしょうが、交通事故となれば数百万円の医療費が必要となる場合もありますので、保険者は医療機関からレセプト(診療報酬明細書)が届けば、点検し、問題がありそうなレセプトについては被保険者に原因照会をしていると思いますので忘れたころ問い合わせがあるかもしれません。(注3)
 以上のような医療費の問題は被害者側の問題ともいえますが、加害者側の問題としては、当然保険所から営業停止の処分以外にも、社内的な衛生管理体制の問題、また調理部門の責任者等への懲罰や損害賠償の問題などの発生も考えられます。職員に対する懲罰また損害賠償となれば返す刀で事業主も衛生管理体制を十分にとっていたのか、また衛生教育もしっかり行っていたのかという面での責任を問われることになると思います。