平成18年度診療報酬改訂の概要から


   医療費の改定は、2年に1回行われています。18年度はその改訂の年に当たっており、既に、全体で△3.16%(診療費△1.36%、薬価・治療材料△1.8%)と過去にない大きな引き下げが決まっていましたが、その個別の内容である診療報酬改定案が中医協から2月15日に厚生労働大臣に答申されました。概要しか分かりませんが、どなたにも関心があると思われる項目を紹介します。
 まず、改訂に当っての基本的な視点として次の4つのものが挙げられています。
 (1)患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現する視点
 (2)質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進する視点
 (3)わが国の医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域の評価の在り方について検討する視点
 (4)医療費の配分の中で効率化余地があると思われる領域の評価の在り方について検討する視点
 【点数表の一本化】
  従来は、老人診療報酬点数表と医科診療報酬点数表と二つあり、同じ病気で老人保健該当者とそれ以外の人では医療費が異なっていましたが、これが一本化されます。受付の事務は楽になるといえます。
 【領収書の交付の義務化】
 初診・再診料、入院料、医学管理料、検査、画像診断等の項目ごとの金額が分かるような領収書を無償で交付しなければならなくなりました。大きな病院ではこうした形式のものを発行しているところが多いと思いますが診療所では新たに領収書を発行するシステムを造る必要があるため6ヶ月間の猶予期間が設けられています。いずれにしても10月以降は必ず所定の領収書を発行しなければいけなくなります。本来であれば、レセプトと同じ形式の領収書を交付し診療内容を明らかにすべきでしょうが・・。
 こうした領収書が発行されることになったからといって、旅行先などで保険証を提示せずに診療を受け全額負担した時は保険者が負担する7割部分を療養費として請求しますが、この場合、この領収書のみでは要件を満たさないの診療の内容の分かる書類も貰っておく必要があるので注意が必要です。
 【診療情報提供料の簡素化とセカンド・オピニオンのための診療情報提供料の新設】
 診療情報提供料は、診断の結果他の専門の医師の診断を仰いだり、画像診断を依頼する場合等に算定されるものですが、診療所→診療所、診療所→病院またこの逆の場合等でそれぞれ算定できる額が異なっており4通りの金額が設定されていました。これが、診療情報提供料(T)2500円(退院時加算2000円)に一本化され、セカンド・オピニオンを求める場合には診療情報提供料(U)5,000円が新設されました。積極的に応じてくれない医師もいるかもしれませんが、診療報酬の項目となりましたので、自分の命と5千円を天秤にかけて・・やはり専門医の判断が必要でしょうから、積極的に利用すべき項目といえます。
 【ニコチン依存症管理料の新設】
 ニコチン依存症と診断された患者のうち禁煙の希望がある者に対して一定期間の禁煙指導に対して算定することができますが、次の施設基準を満たしている医療機関に限定されています。
 @禁煙治療を行っている旨を医療機関内に掲示していること
 A禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務していること
 B禁煙治療に係る専任の看護職員を1名以上配置していること
 C呼気一酸化炭素濃度測定器を備えていること
 D医療機関の構内が禁煙であること
 自殺は保険診療の対象にはなりませんが、「喫煙も同じでしょう」といってしまっては、狭心症や肺がんに罹られて莫大な医療費が必要となってしまったのでは困るので、まあ良しとせざるを得ませんかね。
 【コンタクトレンズ検査料の新設】
 現在は、その都度、初診料(2,740円)若しくは再診料(730円+520円+50円)と矯正視力検査料(740円)の負担となります。しかし。1ヶ月以上の受診期間が開けば、その都度、初診料を算定されていたかもしれませんので、その辺りの弊害を是正するため、「コンタクトレンズの処方に係る診療については、屈折異常の患者に対する診療が継続しているものとして、初診料は第1回の診療のときのみ算定できる。」とされ、新たに、コンタクトレンズ検査料(T)〔初診時 3870円、再診時 1120円〕とコンタクトレンズ検査料(U)〔初診時 1930円、再診時 560円〕が設けられました。結果的には、負担が増えてしまう・・・。コンタクトの処方箋をもらう度に初診料が算定されていないことを領収書で確認してください。