国民健康保険資格証明書とは?


 

国保資格書を問題視  受診抑制に繋がる  保団連

 全国保険医団体連合会は、17日国保の資格証明書の交付措置を、直ちにやめるべきとの見解を発表した。該当滞納世帯では著しい受診抑制が起こっていると指摘したうえで、資格所発行による収納率向上に否定的な見解を表明。平成14年で所得に占める保険料(税)(注1)の割合が8.23%と他保険と比べて高いことが「払いたくても払いきれない」ことに繋がっているとして是正を求めている。(国保新聞H17.11.20)

   現在制度上では国民皆保険として国民健康保険法、健康保険法、各共済保険法、船員保険法等に基づいていずれかの健康保険制度に加入することとなっています。国民健康保険を除けば基本的には事業主さんが加入手続きをとらなければなりません。しかし健康保険法の適用をうける事業所では必ずしも加入手続きを取られていない実態もあります。そうすると従業員は国民健康保険に加入し、保険料を支払うということになります。何らかの理由により保険料を滞納すれば健康保険証を返納し、この新聞記事が問題としている「被保険者資格証明書」の交付を受けることになります。
 年金制度にしても健康保険制度にしても被保険者が負担する保険料収入を中心として運営しています。身近な例でいえば、鎌倉時代に始まったといわれる仲間また地域を中心として「頼母子講」というものがあります。仲間内で毎月一定の額を積み立てお金を必要とする人がそこから融資を受けるという互助会の様なものですが、こうしたものであれば掛金を払わないということはないと思います。しかしこれが全国規模になった年金・健康保険制度になるとお互いに顔が見えないため滞納しても罪悪感を感じないのかもしれません。障害を負わないと、また大病をしてみないと制度の有難みが分からないともいえますし、収入の多い人は全額自腹で済ませると考えているのかも知れません。
 しかし、失業したり病弱で収入もままならず国民健康保険料を滞納せざるを得ない人も多いと思います。国民健康保険では有効期限1年の保険証が交付されますが、もし滞納すれば、督促→保険証を返還→短期被保険者証が交付され数ヵ月単位で更新することになります。政令で定める特別の事由(注2)がないのに滞納が1年を超える(注3)と保険証を返還→被保険者資格証明書が交付されます。短期被保険者証の場合は医療機関の窓口負担は3割負担で済みますが、被保険者資格証明書になると一旦医療費の全額を支払い、後日保険者に申請することで7割部分が償還されることになります。この新聞記事が問題としているのは被保険者が一旦医療費の全額を負担しなければならなくなるため保険料も支払えない被保険者は病気になっても医療機関にかかれなくなってしまうという点です。保険制度自体、被保険者の保険料収入で成り立っていることを考えれば当然の措置といえます。しかし生活が困窮し、保険料も払えない状態の人にとっては酷な制度であり、被保険者資格証明書は廃止すべき制度ともいえますが、一方では、生活にゆとりが有りながらも滞納している人もいますので一律に廃止してしまえば問題もあり、課税台帳等また生活実態を勘案した上で対処せざるを得ないのではないでしょうか。行政の側ではこうした生活の苦しい人に対しては、生活保護の制度もありますし、市町村によって内容は違いますが国民健康保険料の減免の措置を受けることも出来ます。ただ、こうした制度がどのような場合に受けられるのか周知されていないのが現実ではないでしょうか。地域住民のこうしたことのお世話をする民生委員の制度もありますが、名誉職でしかなく十分に機能していないのではないでしょうか。


(注1)国民健康保険料、税金とするか保険料とするかは条例で定めることになっています。
(注2)@災害、盗難にあった。A親族の病気また負傷。B事業の廃止、休止。C事業に著しい損失を受けた。D前項に類する事由。
(注3)さらに1年6ヶ月を超えて滞納を続けると保険給付が一時停止され、停止された保険給付から滞納している保険料が控除されることになります。