国民年金の保険料免除制度が拡充されます


   国民年金の免除制度については、過去にも触れていますが、その後の変化などに触れてみます。HP上に掲載している過去の機関誌の内容については変更していませんが、「社保関係」にまとめている部分については、改正となった数字に改めています。
 (1)全額免除と一部免除
 この7月から保険料の免除制度が、「全額免除」と「半額免除」に加えて、「4分の1免除」と「4分の3免除」の制度が導入されました。対象となるかどうかの所得要件と免除対象期間が年金の額にどの程度反映されるか、また負担する年金額がどうなるのかは次の表を参考にしてください。
 これらの免除を受けた場合には、加入している期間とみなされるので、障害を負った場合でも障害基礎年金は支給されますし、年金加入期間としてカウントされますが、老齢基礎年金をもらう時点ではこれらの期間については、免除の内容によって年金額に反映される割合が異なっています。

@所得要件(原則前年の所得が下記計算式で計算した額以内である必要があります。)
免除区分
所 得 基 準 の 計 算 式
全額免除
 (扶養親族等の数+1)×35万円+22万円(単身世帯は57万円まで)
4分の1免除  78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額
2分の1免除 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額
4分の3免除 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額

A上記表の計算式で計算した世帯構成別の所得基準額の目安は下記のようになります。
世帯構成
全額免除
一 部 免 除
4分の1免除
2分の1免除
4分の3免除
4人世帯
162万円230万円282万円335万円
2人世帯
92万円142万円195万円247万円
単身世帯
57万円93万円141万円189万円
納付保険料の額
3,470円6,930円10,400円
年金額への反映
3分の1
6分の5
3分の2
2分の1
※現在の国民年金保険料は1か月13,860円です。

(2)若年者納付猶予制度
 この制度は平成17年4月1日から導入された制度です。国民年金の保険料の納付免除の対象となるかどうかについては、世帯全体の所得で見ていきますので、一人(配偶者を含む)だけの所得で見ていくと免除対象に該当していても世帯主の所得が多ければ免除対象とならないこともあります。この制度は、他の年齢層に比べて所得の低い若年層(30歳未満の者)のみを対象としており、10年間納付を免除するのではなく、猶予するものとなります。この猶予を受けた期間は受給資格期間としては計算されますが、全額免除の場合とは異なって、年金額の計算には一切反映されません。従って10年以内に納付することが前提になっています。また、所得要件については、全額免除と同じ計算式を使用することになります。

(3)退職(失業)による特例免除
 この制度は全額免除と同じ効果をもたらすものです。受給資格期間と認められますし、年金額の3分の1が支給されます。所得要件の計算時に、本人の所得を除いて、配偶者と世帯主の所得のみで該当の適否を見ていくものとなります。

 所得がなく、国民年金保険料が払えなくなった場合には、保険料を払わないという点ではこれらの手続きを取った場合と同じかもしれませんが、手続きを取っておれば、障害基礎年金は受給できる点が大きく異なります。国民年金制度は老後のこともあるかもしれませんが、今、交通事故で障害を負う危険を考えて見る必要があるといえます。また、学生免除は毎年手続きが必要ですので注意しておく必要があります。