厚生年金には強制加入の事業場に該当してない場合でも加入できます!!

 この欄のテ−マを考えているとき、たまたま弁護士事務所に勤めている若い女性からの問い合わせがありました。そこの事務所は先生を含めて4人の事務所です。前回、簡単に触れているように社会保険に加入しなければならないのは、法人の事業所と個人経営で5人以上の従業員がいる事業所です。個人経営で5人未満の事業所は加入する必要はないし、また個人経営で5人以上の従業員を使用していても@農林水産業、A接客娯楽業・理容業等のサ−ビス業、B弁護士事務所・公認会計士事務所等の法律を扱う業種、Cお寺や教会などの宗教を業とする四つの業種については加入する必要はありません。弁護士事務所のように加入する必要がない事業所の場合、加入手続きはどのようにすればよいのかということでした。こうした加入する必要のない事業所の加入方法には二通りあります。

 まず一つは、申請することによって任意適用事業所とする方法です。この話を聴いたときこの任意適用事業所の認可申請をすればいいと思いましたが、あと二人のことを考えたらこの人たちも被保険者となってしまうので問題がありました。二人とも定年退職された方で、それぞれ厚生年金と共済年金の受給者です。いまさら厚生年金に加入して高い保険料を払う必要もないし、老齢厚生年金を受給している人については、年金の減額という問題もありました。この女性については厚生年金に加入するのが一番いいし、と考えていたとき、社労士の試験勉強中「任意単独被保険者」というのがあったことを思い出しました。社労士を開業以来、基準法や医科の点数表関係を中心に仕事をしているので、厚生年金や国民年金についてはきれいに忘れていますし、この制度はについては手続きをしたとの話しを聞いたこともなく、テキストでしか見た記憶がないので、とりあえず任意適用事業所の手続き書類を社会保険事務所にもらいに行き、任意単独被保険者のことについて訪ねてみると、「第4種被保険者のことですか」と問われ、「強制適用事業所以外では個人で加入できる制度があったと思うんですが・・・」というと、奥の方で相談され、いろいろ本を調べられてましたが、15分過ぎても回答がないので、後から電話して確認することとしました。結果としては、この制度はあると回答がありました。この制度は、70歳未満であれば加入できますが、事業主さんの承諾を受ける必要があり、一般の被保険者と同様に事業主さんが手続きをし、保険料の半額も負担しなければなりません。これを承諾する事業主さんはまずいないのではないかと思います。この社会保険事務所では過去に扱ったことがなかったとのことなので、すぐ回答がでてこなかったのでしょう。用紙自体、本からコピ−される状態でした。

 この女性が厚生年金への加入をと考えたのは、老後のことを考えてというよりは、今、交通事故等に遭って障害者となっても障害年金がもらえないということが動機でした。国民年金にも20歳以降、加入されていなかったから・・・・・。この任意単独被保険者の制度は、社会保険への加入を望まない人も含めて加入しなければいけない任意適用事業所の制度よりも使い勝手がよい制度だと感じました。

 このことで、地元企業の総務労務人事を一手に担当している若手の事務員さんが言っていた言葉を思い出しました。「周りに教えてくれる人がいないので、手探りで勉強しながら社会保険・労働保険の仕事をしているが、知っていないと損をすることが沢山ある。」と。確かに、「知っているようで、本当に必要なことはなにも知らないし、そのことも分かっていない。」ということが多いですね。法律的に問題があれば弁護士さん、税金は税理士さんとすぐに分かりますが、社労士さん。「ああ、社会保険の関係ですか。自分のところで手続きをしていますから・・。」手続きは学校を出てすぐの人でもできるんですが、事業主さんについても、従業員の方についても、担当者が知らないで損をしていることがあまりにも多いのではないでしょうか。自分で勉強するのには限界がありますので、専門的な知識を持った友人を沢山つくりましょう。そうすると雑談の中でよい知恵を授かることがよくあります。