高額療養費とか、高額医療費貸付金制度をご存知ですか?

  「エクレシア第3号」の最後のところで高額医療費貸付金制度があることを紹介しましたが、健康保険では、4月から本人の一部負担金が3割負担となり、もし大きな病気に罹り、高額な医療費を支払うこととなった場合どうなるかと心配もあろうかと思いますので、ここらのことをみていきたいと思います。特に、医療保険制度と一口にいっても職業によって制度が違い、給付内容も違い一律に論じるわけにはいきませんので、一般論として話を進めますので、詳細については、それぞれ加入されている保険者にご確認ください。

 いずれ医療費の仕組みについても話もしていきたいと思いますが、まず、医療機関に行くと、初診料をとられます。2回目以降は再診料や慢性疾患等に該当しておれば管理料(初診日から1ヶ月後より)が請求されます。当然これらに加えて薬剤料、注射料、検査料、処置料、手術料、入院すれば部屋代等が加算されます。これらは医療保険から給付されるもの(保険給付)ですが、これらとは別に個室等に入ったときの差額ベッド代、保険の適用を受けていない薬や治療、電気代、テレビ代等は全額自己負担となります。高額療養費や高額医療貸付金の対象となるのは領収書の合計金額ではなく、そのうちの保険給付の部分のみとなりますのでご注意ください。また高額療養費の対象となるのは1ヶ月を単位とした診療報酬請求明細書(レセプト)ごとに計算します。同じ医療機関であっても入院と通院では別々に作成されるので、1ヶ月でみれば該当するのに、分けて請求されると高額療養費に該当しないという場合もあります。

 医療費の3割部分は被保険者が、残りの7割は保険者が負担しますが、この3割部分の一定額を超えた部分が高額療養費として保険者が負担することになります。ちょっと脱線しますが、よく「原爆手帳を持っているので医療費は全部国が面倒を見てくれる」と思われている方がいますが、国が見てくれるのはあくまでも自己負担の3割部分であって、残りは保険者が負担しています。当然、高額療養費についてもそうです。全額公費負担となるものは精神病や結核の強制入院などごくわずかなものしかありません。話を戻して、高額療養費にはいくつか種類があり、また所得に応じた扱いもあり、で保険者からみると給付の決定に当たっては複雑な問題が絡んでおり非常に注意を要します。

 高額療養費の種類についてですが、月給が56万円未満で生活保護や市町村民税非課税に該当しない人を対象にみていきます。@高額療養費は(72,300円+(医療費−241,000円)×1%)を超えた額が、A多数該当は同一世帯で、過去12ヶ月間に高額療養費に該当した月が4ヶ月以上あれば40,200円を超えた額が、B世帯合算は同一月に自己負担額が21,000円を超えるレセプトが2枚以上あれば合算して前記@又はAの額を超えた額が、高額療養費として還付されます。ただ、自動的に給付してもらえるのか、それとも自分が請求しなければならないのかは保険者によって異なりますので確認してください。

 この制度が出来たときは@高額療養費だけで特別問題がなかったのですが、A多数該当、B世帯合算が導入されたことにより問題が出てきました。特に自動払いにしている保険者の場合ですが、被保険者が退職して保険証が替わっているのに医療機関に提示しないため、現在加入している保険者にレセプトが届かなかったり、医療機関が何らかの都合で請求を遅らせたり、忘れたりした場合には、多数該当や世帯合算に該当している場合でも、正しく高額療養費が計算されないこととなります。当然、後日、多数該当や世帯合算に該当すれば清算されますが・・。この場合、支給済みのものを「返納告知書」で全額返してもらい、改めて給付することになります。

 高額な医療費を支払った場合、すぐに高額療養費が給付されるかというと結構タイムラグがあります。医療機関は、当月分を翌月の10日までに支払基金等に請求し、支払基金等はさらに1ヶ月後に保険者に請求します。それを処理して給付となると1ヶ月程度必要となります。1月受診分が給付されるのが4月ということになり、立替期間が長くなります。それ以前の問題として、たちまち数十万円、数百万円の医療費をどうするかということになります。こうした場合には、高額医療費貸付金制度を利用すれば助かるということになります。この制度は、社会保険の場合、高額療養費の見込み額の8割を無利息で借りることが出来ます。申請して10日ほどで貸付をうけることが出来るそうです。無利息については、どの医療保険制度も同じですが、貸付額は保険者によって異なっています。