ある事例から 〜肝硬変で障害年金がもらえます〜

 前回は広島市の福祉関係の援助措置にどのようなものがあるかを簡単に紹介しました。その後、今回事例として取り上げた友人のことで福祉事務所に行ったとき「心身障害者福祉のしおり」をもらい、障害者手帳をもらうことでいろいろな助成制度また公共料金等の減免制度があることを知りました。たとえば駐車禁止除外指定車標章、NHK放送受信料の免除、預貯金の利子非課税、市営住宅の入居の抽選率の優遇、水道利用金の減免、交通運賃の割引、有料道路の通行料の減免等いろいろあります。いざ自分が該当したときには忘れずにと思っています。

 交通事故に遭って下半身不随になったり、目が見えなくなったときには障害者に該当し、傷害年金が受給できることは皆さんよくご存知だと思います。また、脳溢血により半身不随になったとき、人工透析のお世話になるようになったときもすぐに該当すると答えられると思います。ごく一般的な病気ですが、肝硬変がひどくなり働けなくなったらどうでしょうか。今回の事例がまさにこれでした。さらに間質性肺炎を併発されている状況でした。こうした内臓疾患であっても障害(基礎)年金に該当しますので、お医者さんまた福祉事務所に確認してください。だだ市町村がおこなうものについては内臓疾患に関しては病気が限定されているようです。

 昨年、「お医者さんから肝硬変の末期で、あとは肝移植するしかない状況にあり、このまま仕事をしていたら命の補償はないといわれ退職することになった」と電話がありました。すぐお医者さんに相談して障害厚生年金の申請をするようにと話して1年ほどしたころ、知り合いから腹水が溜まって、入院しているとの連絡がありましたので、病院に行くと、障害厚生年金の手続きは済ませており、11月に障害厚生年金の証書が送られてきたとのことで、見せてもらいました。そうすると肝硬変だけでなく、呼吸器の疾患も該当しており、肝硬変が2級、間質性肺炎が3級に認定されていました。(注1)次にすることは、国民年金の保険料の免除の手続きがあります。(注2)区役所に行って書類を持って帰ろうと思っていたら年金証書の写しを見せるとパソコンで確認し、職員の方が免除申請書を書かれ手続きは済みました。次に、広島市がおこなっている医療費の自己負担分の助成のことで福祉事務所に相談に行きましたら、ここでいくつか問題が出てきました。第一に、内部障害で対象になる疾病は限られており移植しか治療方法がない場合でも肝臓系は対象になっていないことでした。ただ、呼吸器系は認められるとのことで救われましたが、矛盾を感じざるを得ませんでした。第二に、医療費の助成については、前年の所得を基に支給するか否か決定するとのことで、15年度は所得基準をオ−バ−するので対象にならないことでした。16年度からということになりました。(支給期間8月〜翌年の7月まで)

 あと傷病手当金との関係があります。障害年金をもらうようになると、傷病手当金の額が障害年金の額を超えておればその差額が支給されますが、逆の場合は支給されません。健保組合の任意継続加入者であるので、障害年金を受給しているか否かは申告しない限り分かりませんので裁定通知書がくればその旨届ける必要があります。一番いいのは、障害年金の裁定請求をするとき健保組合に相談し、裁定通知が来るまでは、請求保留するのがいいと思います。というのは附加給付(傷病手当附加金・延長傷病手当附加金)を障害年金との差額支給の対象にしていない組合が多いと思うからで、そうすると受領した年金額以上の返納金が生ずる可能性があるからです。

(注1)
 二つの年金に該当したときは、いずれか一方を選ぶことになります。この方の場合、障害厚生の基本額は2級が約60万円で、3級が約90万円でした。3級の方が高くなっている理由は、年金額の決定はその病気の初診日の保険料の払い込み状況で見ていくためです。肝硬変の初診日の方が古く、加入期間132月、平均標準報酬額が27万円、間質性肺炎の加入期間が162月、平均標準報酬額が37万円となるためです。さらに、障害厚生年金は3級から支給されますが、国民年金の障害基礎年金では2級からしか支給されないため、当然障害厚生・障害基礎がセットとなった2級を選ぶことになります。障害基礎では1級が996,300円、2級が797,000円と加入期間に関係なく定額になっています。
(注2)
 国民年金の保険料の免除には法定免除と申請免除と二通りあります。
 法定免除は、障害基礎年金や生活保護法の生活扶助等に該当した場合で、14日以内に届け出るようになっています。
 申請免除とは、生活保護法の生活扶助以外の扶助や地方税法の障害者等に該当した場合、届け出れば免除されるというものです。
 その他、学生については、保険料納付の特例として、申請することにより納付する必要がなくなります。