事業主・役員・開業医も労災保険に加入できます。


【労災事故の対象となる事故】
 労災保険は正社員、パートやアルバイト等を使用する事業所は必ず加入しなければいけません。労災保険が対象としている事故は仕事中と通勤途中に発生した事故による傷病です。

【給付内容】
 これらの労災事故に対して医療費や休業補償また障害が残った場合の補償また死亡に関しての給付がなされます。

【未加入の場合のペナルティー】
 もし労災保険に加入していない期間中に対象となる事故が発生すればその時に加入することもできますが、未加入期間の保険料に併せて保険給付額の100%又は40%のペナルティーが徴収されます。

【会社が手続しないとき】
 また労災保険に加入中また加入しないまま事故が発生し、手続を取らない場合には、被災者側が労働基準監督署に申告すれば給付を受けることができます。この場合、慰謝料を始め次項の問題も発生します。

【労災保険以外に損害賠償の請求がある】
 業務中に発生した事故に対する責任は労災保険からの給付で完了するわけではなく、安全配慮義務違反等により被災者から損害賠償請求を受けることになります。この額は数千万円に及ぶことも少なくないため民間の労災補償上乗せ給付と損害賠償保険への加入も検討課題といえます。

【役員等の特別加入】
 この労災保険は労働者を対象としているため事業主や役員は除かれていますが、中小企業については労働保険事務組合に労働保険の委託をすることによって特別加入の制度が設けられています。事務組合には、社労士、商工会、民商、同業者の組合等があります。

【開業医の場合】
 開業医については在宅医療も増え、また自宅と診療所間の異動時の事故に備えて加入の検討も必要かと考えます。医師会が労働保険事務組合を設立しているのでこれを通じて加入出来ます。

【労災保険料の額 (1年間の額)】  (1) 一般の労働者
   労災保険料の額は、1年間の賃金の合計額に保険料率を乗じた額です。
    小売業の場合 (1年間1千万円の賃金を支払った場合)
    1000万円×3.5/1000=3.5万円

 (2)特別加入の場合
   休業補償等の基礎となる日額を5千円から2万円までの範囲で選び、次のように計算します。
    小売業の場合 (基礎日額を1万円とした場合)
    基礎日額×365日×労災保険料率=労災保険料
    1万円×365日×3.5/1000=12,775円

【雇用保険への加入】
 週20時間以上働く労働者を雇用していれば雇用保険への加入も必要になります。

【雇用保険料の額 (1年間の額)】
 小売業の場合 (1年間1千万円の賃金を支払った場合)
    1000万円×13.5/1000=13.5万円
 内 労働者負担分(5/1000) 5万円を毎月の賃金から徴収するため差引負担額は8.5万円。