技能実習生が入管に相談に行ったら会社から帰国と言われた


 名古屋に住んでいる技能実習生からの相談が先日ありました。残業代未払の問題と帰国の問題の二点セットです。経過を見ると、昨年の8月に3名で来日し、名古屋市内の配管業者で働いているが残業代が支払われていない為、2名が入管に相談に行ったとのことです。後日、社長から、ハローワークから「調査に入る。」と電話がかかってきたと言われたそうです。当然、怒った社長から「次の更新はしない。8月には帰国させる。」と言われたそうです。また「残業代の事を文句言うのなら、迎えに行かない。始業時間の8時までに来ればいい。」と言われ2名は40分かけて自転車通勤することになったそうです。それまでは会社の車で迎えがあり7時に仕事開始でした。ハローワークから電話があったとの言葉には疑問を感じます。当然、労基署でなければならないはずですが、この点は本人たちも不思議に思っていたようです。おそらく相談を受けた入管は、労基署に連絡すると受入停止の問題が発生するため、協同組合に連絡したのではないかと考えられます。私自身も実習生問題に係りだした最初の頃入管に相談に行くと「協同組合に連絡しておくので話しを進めてもらいたい。」と言われていました。支援者が係っている場合は問題ないでしょうが、そうでなければ、今回のように、帰国の問題が出てくるのは当然のことかもしれません。ただ即帰国ではなく、1年が経過し、次回の契約をしないと告げれば形式的には合法的な帰国となってしまいます。当然2年目の契約のためには技能認定試験に合格しておく必要があります。これを受けさせなければ当然帰国という筋道しか出てきません。名古屋のユニオンに依頼したので後は見守るだけしかありません。ただ、入管に相談しても改善されるのではなく悪い方向に向かってしまうという結果となっています。相談を受けた行政機関は技能実習生の地位と権利だけは守ることを大前提として対応してもらいたいものです。

 この4月から発効する外国人技能実習適正化法の第48条2項に「実習実施者等は、前項の申告をしたことを理由として、技能実習生に対して技能実習の中止その他不利益な取扱いをしてはならない。」(6月以下の懲役又は30万円以下の罰金)と定められています。残業代の問題が解決した後に発生するこうした不利益は誰が防ぐことになるのでしょうか。当然監理団体である協同組合ということになります。しかしそうした協同組合は少ないと言えます。自分が経営する会社向け人材確保のための協同組合や、組合会費をダンピングして顧客獲得に走る協同組合もあります。ちなみに「外国人技能実習生.com」でみると広島県内には122の同組合がありました。