労働問題セミナー(報告)
広島で働く外国人労働者をめぐって


 標記のセミナーが、6月20日に広島カトリック会館多目的ホールで開催されました。第1部がスクラムユニオン・広島の土屋委員長、働く者の相談室くれの米今代表そして小松社会保険労務士の報告があり、中でも6月15日に中国人研修生6名が広島地裁に2200万円の未払い賃金等の支払いを求める訴訟の中心となっている土屋委員長の話はタイムリーであり興味深いものでした。
 ミサをはさんで開催された第2部は研修生・実習生を対象に英語とタガログ語の通訳を付けて税理士の万徳さんから税金に関すること、小松社会保険労務士から労働基準法の基本的な部分の説明そして活発な質疑応答がありました。
 セミナー終了後10名ほどの研修生・実習生が相談のため20時前まで残りました。研修生・実習生を巡る労働問題はごく日常的なのことですが、一方では全く問題が無いと言い切る者もおり、どの会社に研修に行くかによって明暗が分かれてしまうのも情けない話です。内容の報告に替えて朝日新聞の記事を概要として掲載します。



残業時給300円・家賃ピンハネ・・
外国人の労働環境守れ

 海外からの研修生や実習生、定住外国人への賃金不払いなどの実体を報告する集会が20日、広島市で開かれた。県内では、昨年1月と今年6月に中国人実習生らが未払い賃金の支払いを求めて裁判を起こしたが、裁判に持ち込まれるのはほんの一握りだ。このため、7月から研修生らの法的保護が強化される。(諏訪和仁)

広島で実態報告会

「残業代は500円」「仕事中にけがをしたが、治療代を自分で払わされた」「会社の都合で休みになったのに、休業補償が無い」

 集まったフィリピン人の研修生らが次々と話し始めた。社会保険労務士の小松公寛さんや税理士の万徳由美子さんが相談に乗った。

 小松さんは、外国人研修生らから賃金不払いなどの相談を受け、雇い主らと交渉してきた。不払いだけでなく、住まわされている家で暖房を使うのを禁じられ、湯たんぽを使うよう指示された研修生もいた。タイムカードに記録させないで残業させたり、入国管理局の職員が調べに来たら「残業はしていない」と応えるよう強いる雇い主もいるという。小松さんは「自分で毎日の勤務時間を書き留めておくように」と呼びかけた。

 個人で入れる労働組合「スクラムユニオン・ひろしま」の土屋信三委員長は「今の研修生・実習生の制度は、奴隷制度と変わらない。研修生たちは会社を選べず、雇い主に逆らえば帰国させられる。だから、ひどい条件で働かされている」と指摘。安い労働力を求めて東南アジアなどに工場を移せない中小や零細企業が制度を使っているという。

 土屋さんは、不払いなどで困っている研修生らには組合に入ってもらい、団体交渉で会社側に支払いを求めてきた。中には割増になるはずの残業時給が300円という例もあった。月5万9千円の家賃の部屋に実習生6人を住まわせ、全員から家賃として月2万8千円ずつ取り、会社が約11万円を「ピンハネ」していたケースも。土屋さんは「税金や家賃などと称してぼったくっていることも多く、注意が必要」と話した。

 外国人研修技能実習制度が、技能を身につける本来の目的ではなく「安い働き手の確保」に使われていると批判が強いため、国は出入国管理法を改正し、7月に施行する。来日1年目は国内の労働法が適用されない研修生だったのが、適用される実習生になる。労働基準監督署などが雇い主や受け入れ団体の不法行為に厳しい態度で臨むことが期待されている。

写真、県内の外国人労働者数の推移表略 (朝日新聞6月21日の記事)