労災保険未加入へのペナルティ−が厳しくなります!!



 「労災保険未加入へのペナルティ−が厳しくなります。」と改めていっても加入されている事業所にとっては何の関係もない話ですが、強制加入であるにもかかわらず全国で約54万の事業場が労災保険に加入していないと厚生労働省は推定しています。こうした事業場の労働者が通勤途中や業務中に災害に遭えば十分な補償も得られませんし、高度の障害が残ればその後の生活の問題が残り、誰からも補償がもらえないとの事態も生じてきます。労働基準監督署に申告すれば労働基準監督署が事業場に加入手続きをとらせることにより労災保険給付を受けることが出来ますが、こうした申告が出来ることを知らなかったとすれば泣き寝入りせざるを得なくなってしまいます。こうした未加入の事業上が労働災害発生後に加入した場合の罰則は今までもありましたが、この罰則を強化することによって労災保険への加入を促進しようとするのが今回の改正の趣旨といえます。

 労災保険は、労働者災害補償保険法に基づき、政府が行っている損害保険で、労働者が通勤途中または業務遂行中に災害に遭った場合に保険給付されます。その内容は、治療費、休業補償費、障害が残った場合の年金等また死亡した場合の補償そして努めている会社が倒産し賃金がもらえない場合の立替制度などがあります。

 加入しなければならない事業場は、法人事業所だけでなく個人事業主も含めて、アルバイトやパ−トなどの従業員を1名でも使用しておれば必ず加入しなければなりません。未加入の事業主さんと話しをすると、「民間の保険に加入している」とか「チェ−ン店になるとき損害保険に加入している」との弁解を聞きます。補償の内容も労災保険に劣ることはないと保険会社から説明を受けているそうです。自分の会社の保険を売りたいのは分かりますが、労災保険と同等の内容のものであれば保険料はかなり高額になるのではないでしょうか。健康保険組合の仕事を担当していたとき、交通事故の過失割合をめぐって一部の損害保険会社のたちの悪さに辟易していましたし、テニス保険でも、コ−ト上で練習中、ボ−ル集めしている人にボ−ルを当てて怪我をさせても保険金がおりないなど訳の分からないことが沢山あります。労災保険に替わるものではなく、節税効果のためとか、労災保険の上乗せ給付としてと説明すればいいと思うのですが・・。

 余談はさておいて、労災保険の保険料がどの程度になるかをみると、事務的な業種の場合、1年間の賃金が1000万円として、年間の労災保険料は5万円に過ぎません。もし、従業員が、通勤途中自転車で溝に落ちて頚椎を損傷し寝たきりになった場合、治療費、介護給付や休業給付に加え死亡するまで障害年金を受給することが出来ます。もし、労災保険に未加入でこうした災害が発生し、事後に加入したとなれば、従来は保険給付の内の治療費と介護給付以外の給付の40%負担すればよかったのですが、11月からはその割合が最悪の場合100%負担せざるを得なくなりました。併せて、労災保険料も過去2年間、遡って徴収されることになります。

 こうした重大事故が発生するのは極まれかもしれません。しかし、事業を行い、従業員を使用する者にとっては労災保険加入は必要最低限の義務といえますので、もし、加入されてないようであれば、労働基準監督署で手続きをとってください。


労災保険未手続事業主に対する費用徴収が下記の通り強化されます。

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   加入手続について行政機関からの指導等を受けたにもかかわらず、事業主がこれを行わない期間中に労災事故が発生した場合、現行の取扱いでは「故意又は重大な過失により手続を行わないもの」と認定して保険給付額の40%を徴収しているが、これを改め「故意に手続を行わないもの」と認定して保険給付額の100%を徴収する。

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   加入手続について行政機関からの指導等を受けていないが、事業主が事業開始の日から1年を経過してなお加入手続を行わない期間中に労災事故が発生した場合、「重大な過失により手続を行わないもの」と認定して、新たに費用徴収の対象とし保険給付額の40%を徴収する。