休憩時間についてご存知ですか? @

    ネットオ−クションに嵌って朝から晩まで必死に品物を探していたりするとドライアイや視力の低下、肩こりなどの障害がでてきますので、定期的に休憩し、画面から眼を離し、眼を休ませる必要がありますが、個人で遊んでいる場合は、まあ、いいとして、長時間の仕事になると疲労が蓄積し、能率の低下をきたしますし、挙句の果ては、ノイロ−ゼになって自殺をする人も出てきて困ったことになります。労働者は奴隷ではないですから、労働基準法では、労働時間の途中で休憩時間を与えなければならないことを、また、1週間に1回又は4週間に4回は休日を与えるように決めています。

 脱線しますが、民主制を完成させたといわれる古代ギリシアでは、「こん棒持ち」といわれる奴隷がいました。何をしていたかというと、今の警察官の仕事をしていたといわれています。奴隷が主人を殴ることもあったみたいですし、家庭教師の奴隷も沢山いましたし、主人と別居して商売をしていた別居奴隷という奴隷もいました。不思議な世界です。この古代ギリシアの政治の中心が民会といわれる全ての市民が参加する会議でした。これをギリシア語で「エクレシア」といい、この機関誌の名前としています。耶蘇坊主崇拝の天主教では「教会」の意味に使っています。

 元に戻って、休憩時間はどれだけ与えなければいけませんか、ということになります。労働基準法は1日の労働時間を8時間と決めています。これを超えて労働させる場合は、36協定を結ばないと事業主さんは地獄への直行便と話しましたが、この法定労働時間以内の労働(8時間以下)では「すくなくとも45分」の休憩を労働時間の途中に与えなければいけません。また、6時間以下の労働時間であれば、休憩時間を与える必要はありません。休憩時間は「1時間」が当たり前と思われている方も多いかと思いますが、基準法では8時間を超える場合には「少なくとも1時間」の休憩を与えるように定めているにすぎません。

「うちの会社は、7時間労働で1時間の休憩を与えているが、多すぎるので法律通り45分の休憩に変更しよう」と変更した(注@)とします。そして2時間の残業をさせたならば、2時間もしくは1時間の残業代(注A)を支払うだけで良いでしょうか。ダメですよね。労働時間が8時間を超えるので1時間は休憩時間を与える必要があるから、残業中に15分の休憩を与えて帳尻を合わせる必要が出てきます。これを聞いた事業主さんが、「それなら15分の休憩時間分の残業代を支払う必要がないよね。」と言ったら困りますよね。「好きにしてください。」とため息をつかざるを得ませんね。

第34条
 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
注@
 この例のように自社の規定が基準法を上回っているとの理由で、労働条件を低下させることは出来ないと基準法は定めています。しかし、通達で、「社会経済情勢の変動等他に決定的な理由がある場合には本条に抵触するものではないこと」としています。
注A
 所定労働時間が、法定労働時間(8時間)以内の場合には、時間外手当の対象となる時間を所定労働時間を超えた時からとするか、法定労働時間を超えた時からとするかは、任意に就業規則等で定めることとなります。

休憩時間についてご存知ですか? A

    前回は、休憩時間の長さをみました。普通、休憩時間は12時から1時間か45分で特に気に留めていないと思いますが、小さな疑問はいろいろ感じられているのではないかと思います。
  @午前中10時から15分、12時から30分、15時から15分と休憩時間を変更されたらとか、
  A昼休みにも電話番をしていないといけないので休憩にならないとか、
  B休憩時間に事業場の外に出る時は許可をもらわないといけないとか、
  C親睦を図るため皆で将棋や碁をするように云われるなど・・。

 まず@の問題ですが、下に挙げた労働基準法の休憩に関する条文を見ると第一項で、「労働時間の途中に与えなければならない。」とありますので、これはしょうがないと諦めるか、文句を言って改めさせるかということにならざるを得ません。これは条文通りということになります。

 ただ、A以降については、条文だけでは上の疑問に対する回答としは十分でないし、いろいろ疑問もあるかと思います。そうした疑問に答えるためいろいろな通達がでておりますので条文を読んだだけでは誤った解釈をすることになりますので注意が必要です。

 まず、休憩時間の定義ですが、「休憩時間とは単に作業に従事しない手待時間を含まず労働者が権利として労働から離れることを保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取扱うこと。」との昭和22年の通達があります。従って、Aの電話番は労働時間ということになりますが状況に応じてということでいいんじゃないでしょうか。ただ、人手があり、今日はAさんが電話番というのはチョットまずいでしょうが・・。ここには、条文にあるように休憩時間は一斉に与えるとの前提条件があります。例外として施行規則で小売業や美容院そして病院等は一斉に休憩を与える必要がない業種とされていますので別段問題はありませんが、一般の事業所では、休憩を一斉に与えないときはその旨労使間の協定を結び、就業規則に定めておく必要があります。

 次にBの事業場の外に出るのに許可が云々については、『下の条文を見ると「休憩時間を自由に利用させなければならない」と書いてあるから明日から許可をもらわずに外出しよう。』と考えると、チョット待ってくださいよと言わなきゃいけなくなるんですね。休憩時間の自由利用については、「休憩時間の利用について事業場の規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を害わない限り差支えないこと。」(昭和22年)、また「休憩時間中の外出については所属長の許可を受けさせるのは法第34条第3項に違反するか。」との問いに、「事業場内において自由に休息し得る場合には必ずしも違法にならない。」(昭和23年)との通達がありますので、休憩できる場所がある場合には許可が必要とすることもできます。例えば、美容院を例にとると、仕事をしている場所とトイレしかないような場合には、完全に業務から開放されることが難しいので許可を受ける必要はないということになります。Cのように、使用者から、昼休みに皆と共同歩調を強制される場合、「仕事じゃないし、遊んでいるんだし、相互の親睦を図るいい時間となっているから問題ないじゃないか。」と考えられると、これは休憩の自由利用違反となってしまうのでダメということになります。だだ、自然発生的にやっている場合は問題ないと考えることもできますが・・。まあ、その時は、何か理屈を考えてください。

第34条
 使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時 間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。
A 前項の休憩時間は、一斉に与えなければならない。ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合 がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数 を代表する者との書面による協定があるときは、この限りでない。
B 使用者は、第一項の休憩時間を自由に利用させなければならない。