外国人労働問題速報

 最近の問題として次の二つのものがありました。

(1)フィリピン人実習生保護を求めた逃亡事件(黒瀬)
 5月18日にパワハラ、セクハラそして時間外労働賃金未払の問題からフィリピン人実習生の女性が1名保護を求めて逃げてきました。この会社は昨年から問題があるとして労働基準監督署に申告する段取りをしていましたが、実習生の内1名が反対したため潰えてしまいました。今回は不当な扱いに我慢が出来ず逃げ出したものでした。パワハラは凄まじいものだったようです。第一次受入会社の担当者もこの会社の激しさは知っていながら放置しており、実習生達からのその他の問題提起も会社に注意しただけで確実に履行されているかどうか全く確認もしていません。セクハラの問題もあり詳しく話しを聞いていくと計画的なわいせつ行為であったことが判明しました。この会社は全て女性ばかり受け入れており、こうした問題が発生しやすい環境にあったといえます。幸いホームステイの受け入れ先も苦労せず見付かり、解決も1週間ほど済み29日には帰国しました。この後、入管が3名調査に入りましたが、この情報もそこにいる実習生達からすぐに入ってきました。研修生3名は残業をしているといわないようにと会社から指示されたそうです。最悪の場合、受入停止となるかもしれませんがどのような結果となるのでしょうか。
(2)研修生時代からの残業代未払い事件(三原)
 この事件の交渉に入ったのは上記の事件の連絡がある少し前でした。かなり以前から相談を受けており、支給表を基にして残業代未払額の計算をしていたところ最初からのタイムカードを持ってきたのでびっくりしました。最初に心配したのはこれを問題視されて強制帰国させられるのではないかということでした。もしそうした動きがあればすぐに電話してくるように複数の連絡先を教えておきました。相談に来ていたのは5名ですがタイムカードは1名、そのあとまた1名が持ってきましたが、最初の実習生だけのもので会社と交渉に入りました。2つの事件が同時進行で、同じ日に時間をずらして交渉をすることもありましたが、ここまでデータが揃っておれば会社は反論のしようもないにもかかわらず、こちらからの提案を受け入れるまでに少々時間がかかりましたが、最後は、「提案を受け入れなければ、就業規則、その他の実習生のタイムカード等を提示して監督署で確定してもらおう。」とメールして始めて承諾しました。


 何れの事件も外国人労働者を人間扱いしていないとしか言いようがありません。事件が発覚しても未払金を正確に計算してくることも有りませんし、最初の例のようにセクハラ、わいせつ行為に対して15万円程度の金額の提示では全く誠意が無いとしかいえません。結果としてはこちらの言い分どおりの額を認めさせました。こうした問題については未払金の支払だけではなく当然慰謝料的なものも含めて補償されるべきだろうと考えます。いちどきに支払うのは大変でしょうが、問題が発覚しなければ儲け、発覚すればいろいろ自己正当化を図ってきます。様々な事例に接している中には助成金の不正受給もありました。同業者が絡んでいるようで情けない話です。
 広島、呉そして三原までの範囲の情報は少しは入ってきますが、まだ一部の情報でしかありませんので関係を持った研修生、実習生たちから友人に支援体制がありそれなりに成果を挙げていることを知らせてもらうようにしています。また福山の教会でも同様の相談があるようですが状況が分かりませんし、フィリピン人の集まりがあるのかも分かっていませんので、広島フィリピン人協会のメンバーと訪問して情報交換をしなければと話しています。そうは言っても広島の支援体制さえ出来ていない状況なので協力していただける方の連絡を待っています。労働関係、ビザ関係、訴訟関係、税金や婚姻の知識、ホームステイの受入、行政官庁への同伴、移動への協力など様々な支援体制の構築が必要です。特にシェルターとお金の問題が最優先です。教会のロビーでの相談が当たり前になり本人のプライバシーの問題を忘れてしまっているのも大きな問題かもしれません。