1870万円賠償命令 千葉、中国人実習生死亡で


 千葉県銚子市の水産加工会社で同僚(41)に殴られ死亡した中国人実習生の男性=当時(23)=の遺族が、同僚と勤務先の会社に計約5500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁は30日、同僚と会社に計約1870万円の支払いを命じた。
 広谷章雄裁判長は判決理由について「以前から2人の関係は良好ではなかったが、当時、実習生が同僚に危害を加えるような状況にはなかった」などと指摘。「防衛行為だった」とする同僚の主張を退けた。暴行は業務時間に発生したとして会社の責任も認めた。
 判決によると、実習生と同僚は2011年10月29日、それぞれが運転していたフォークリフトが接触し口論となり、実習生は首の辺りを鉄製の棒で殴られ、死亡した。
 同僚は傷害致死の罪で懲役5年の判決を受け服役中。

2014.9.30 19:45  産経ニュース

【指宿弁護士のコメント 〜 移住蓮メーリングリストから転載】
 2011年10月29日、銚子の水産加工会社で、中国人技能実習生が日本人従業員に鉄製の棒で殴られて死亡した銚子事件で、昨日、加害者と会社に対して1870万円の損害賠償を認める判決が出ました。
 判決は、本件暴行が、会社の事業所内において、業務時間内に発生したものであり、そのきっかけは、加害者の運転するフォークリフトと被害者が運転するフォークリフトの接触事故によるものであること、加害者と被害者が互いに悪感情を持っており、本件暴行はこれが発展したものであるが、両社の関係は会社の従業員であることを前提にしたものであり、関係が良好でないのは、両社に一緒に作業をした際などに、加害者が被害者の作業内容に注意し、これに被害者が反発して従わなかったからである、として本件暴行は「事業の執行について」(民法715条1項)なされたものであると判断して、会社の責任を認めました。
 過失相殺は認めませんでした。
 逸失利益は被害者の来日前(製薬会社の営業職)の賃金(年収約113万=中国農村部の賃金としてはかなり高い)を基準にし、技能実習と同じ水産加工業の賃金(被告からは年収約16万円程度という資料が提出されていた)を基準にしませんでした。中国の物価上昇や賃金上昇などを考慮して、日本における被害者に実収入(年収約204万円)を基準にするか、少なくとも賃金センサスの3分の1(183万円)を基準にすべきだとする原告の主張は認められませんでした。
 慰謝料は1300万円が認められました。判決中には明記されていませんが、日本人独身男性の赤本基準(2000万〜2200万円)のうち、精神的苦痛を慰藉するための性質を有する部分を約半分(1000万円程度)と考えて、これは全額を認め、被害者の財産的損害の算定が困難な場合の補完・調整的な役割や遺族の生活保障としての役割を果たす部分が残りの半分と考えて、その3分の1(300万円程度)として、合計1300万円としたものであると思われます。
 弁護団は、板倉由実弁護士とでした。会社が破産手続きに入っているため回収の難しい事件ですが、比較的妥当な判断を得たと考えています。 指宿

【コメント】
 裁判に勝っても補償が得られないということに悔しい思いがします。この会社の倒産は、経営が行き詰ったためなのか、補償を免れるためなのか分かりませんが、スクラムユニオン広島の中国人技能実習生問題でも同様の問題が発生しています。この例では。会社を潰し、社員に事業継承させて債務から逃れながら実質オーナーとして運営に当たっています。新しい会社でも技能実習生を引き続き使用しています。問題提起した技能実習生達には残業をさせない報復措置を取ったため3年を間近にひかえた9月の終わりに1名帰国し、残りの2名は10月に帰国します。問題提起しなかった技能実習生達は恐怖感からあきらめているようです。これらに限らず外国人蔑視と使い捨て労働者との意識が受入機関の常識と考えたくなる例がよくみられます。