平成27年度フィリピン人労働者を支援する会の活動報告


(1) 活動報告
【技能実習生問題】
 技能実習生の労働問題については主なものについて報告します。

(1)

 昨年度から継続している東広島市の技能実習生4名(すでに帰国)の問題ですが、昨年2月の第1回団体交渉で「過去の事実関係については不服がある場合や当事者間の事実の認識に相違がある点につきましては、訴訟等で明らかにすべき問題ですのでこの点について、今後団体交渉で対応する予定はありません。」と相手方弁護士から一方的に打ち切られたため、彼らへの社長からの嚇し等に対して東広島警察署への告訴(不起訴処分)しまし、賃金未払等での地裁への告訴し、またスクラムユニオンからは不当労働行為として地労委への申立がなされており、いづれも係争中です。

(2)

 次に28年2月に相談のあった福岡県の農家で働く3名の技能実習生の残業代等を巡る問題がありました。帰国までの時間が少ないことから技能実習生問題に精通したスクラムユニオン・ひろしまに依頼し、無事解決し4月2日に帰国しました。費用負担のことを考えると遠隔地の技能実習生問題に直接取り組むべきかどうか悩ましい問題があります。

(3)

 協同組合がベトナム人技能実習生を他の会社に移籍させる手続をとっていると会社側の弁護士さんから連絡があり、一緒に調査に入るという立場を変えた取り組みがありました。調査の結果会社側に非がありやむを得ない話ですが、法律よりも自分の思いを優先させる会社側の問題を今までと立場を変えた所で認識させられました。また、会社と協同組合また入管との関係資料が得られたり、こうした間隙をぬって顧客獲得に走る協同組合の動きも分かったりと貴重な体験をすることができました。


【脱退一時金】
 技能実習生にとって脱退一時金とそれに対する所得税還付は大きな問題と言えます。しかし所得税還付については知られていないのが現実です。これについては不特定多数の支援は行っておらず、労働問題等の支援をした実習生や常日頃から付き合いのある実習生に限って対応しており、この人達からの寄付金は当会の基金形成に大きな力となっています。それぞれの地域団体が、脱退一時金に対する所得税還付の支援に取り組んでいただければと思い、日本語、英語、中国語とベトナム語の説明資料を作成していますので連絡があればお送りします。

【在留資格・婚姻等】
 相談の中心は、労働問題よりは、在留資格、DV、婚姻関係や生活上の問題などの相談が中心となっています。JFCの認知など複雑な問題を抱えたものもあったりしてその都度勉強させてもらっているのが現状です。中には真剣に解決する気があるのかと言う思いを持つものも少なくありませんが、法律的に離婚が認められていないフィリピンでは婚姻無効の裁判を起こす必要があり、多額の費用を要すると聞いています。紙切れ一枚出せば済む私たちの常識が通用しないところにその原因があるのかもしれません。

【法律相談会・セミナ−等】
 法律相談会(弁護士3名。税理士1名、社労士1名)は2か月に1回ペースで開催していましたが、昨年11月29日の13回目を最後に休眠状態に入りました。沢山の弁護士さんの協力が得られているため復活も必要かと思いますが・・。
 セミナ−はフィリピンの社会を研究している吉田さんに「フィリピンってどんな国?食文化からみる歴史と社会」と言う演題で講演していただきました。また西条の酒祭りにも実習生達と行くことができました。

【江田島ミサ・その他】
 江田島のミサは、土曜の夜遅くの帰宅となること、神父様の確保また費用負担の問題等個人的な活動として無理をした活動を続けてきていましたが、2月に福岡で発生した技能実習生の問題などで時間が取れなかったことから1月のミサを最後に江田島のフィリピン人達に連絡をしないままとなっています。

【統計】
記録に残したもの  55件 の内訳
労 働 問 題
脱 退
一時金
婚姻
関係
DV
その他
_
(別掲)
強制
帰国
賃金
残業
労災
解雇
その他
在留
資格
不法
就労
その他
法 律
相談会
セミナ
12
13

国別等
フィリピン
中国
ベトナム
スリランカ
日本
_
フェースブック(再掲)
国内から
フィリピンから
41
12

市町村別
広島市
呉江田島
東広島
福山
今治
宇部
福岡
その他
フィリピン
22
12
12

(2)収支報告 (平成28年3月31日)
 昨年度までは、基金を充実させるため基本的に支出することを控えていましたが、27年度から行事への支出を認めることとし、 呉市で無料法律相談会を開催しました。この会場費2,300円と突発的な事態でしたが、福岡の技能実習生3名の問題でこれに要し た交通費等に対して支出しました。遠隔地からの相談に対して費用負担してまでとの思いもありますが、技能実習生問題に精通し たネットワークが見つからないこともあり、時間的には県内移動と変わらない状況から対応することになりました。

収    入
支    出
 会   費( 6名)
5,500
会場借上代
3,300
 維持会費
交通費(4回分)
107,520
寄付金( 22名)
165.000
雑費
6,308
受取利息
93
 
 
貸付金戻入
 
 
 
前年度繰越金
503.693
次期繰越金
557,158
合  計
674,286
合   計
674,286

※ 2/14(新幹線・福岡の通訳)、2/21(新幹線通訳帯同)、2/28(ユニオンの車通訳帯同・負担なし)、3/11 (新幹線通訳帯同)、
  3/27(新幹線)の5回の内4回分。
※ 寄付金の内6万円は福岡の実習生3名から、また5万円(5千円×10名)は帰国したフィリピン人技能実習生の脱退一時金に
  係る所得税還付手続きに対して寄付を受けたものです。