2013年度の技能実習生の死亡事故から


 痛ましい話ですが技能実習生が3年間日本で生活する中で労災事故を始め様々な事故に巻き込まれています。時々新聞で技能実習生同士の喧嘩で相手に怪我を負わせたとの記事を見る事もあれば、労災事故の報道もありますが労災事故は隠されているものも少なく無いようで全容は不明ですが、死亡事故についてはまず全件が把握されていると思います、JITCOの報告を見ると過去三年間の国籍別死亡事故は下記の通りです。
年度
合計
中国
ベトナム
フィリピン
インドネシア
タイ
その他
2011年
20
14
 
2012年
21
17
 
 
 
2013年
27
13
過去6年平均
25.2
17.5
3.1
1.5
2.0
0.6
0.6
23年12月
技能実習生
155,214
107,182
21,632
10,077
10,064
3,947
2,312

 年による発生件数に相違はあっても過去6年平均で見ると発生率はほぼ同じといえます。個別の発生状況を事故別に分類してみると次のようになります。

2013年死亡原因  (27件)
仕事中
通災
自殺
事  故
体調不良
その他
労災
不明
交通事故
遊泳中
喧嘩
10

 仕事中で「不明」と分類したものは、「工事現場で作業中体調不良を訴えて倒れた」もの(7月)と「草刈作業を終了し事務所へ戻る準備中、意識不明の状態で倒れている姿を発見され」たもの(8月)です。仕事との因果関係は分かりませんが、夏の時季であり熱中症であれば労災に分類される可能性が高いかもしれませんが、業務との関連性が無いと判断されれば「体調不良」に分類されることになります。特にこの項目が異常に多いのが気になります。体調不良で休んでおり急変したとか、起きてこなかった、また深夜異変を起こした、などと報告されています。10名の内30歳代が2名、10歳代が1名で残り7名は20歳代の人達です。来日前から何らかの基礎疾患を持っていたのかどうか分かりませんが健康診断は済ませてきているのでそのようなことはなかったと思います。大日本住友製薬のHPでみると、突然死は、心因性では平均年齢は38歳+-11歳で10万人当たり6.7人、非心因性では35歳未満で1.2人、35歳以上では2.0人と報告されているのと比較すると高いように思います。残業時間がどのような状況あったか、また宿舎の状況がどうであったかなどと併せて考える必要があるといえます。ちなみに入国後の年数が1年未満の者が5名となっています。
 「その他」の1件は、「欠勤後に行方不明となり、約1週間後に宿舎近くの海岸で遺体で発見された。」ものです。「喧嘩」によるものは50才代の人で技能実習生の中にこのような高齢者がいることを考えると技能実習生は出稼ぎとの感を強くします。
 こうした死亡事故の統計をみて思うのは、労災事故と通災事故に関しては労災保険の適用を受けることができるでしょうが、会社の安全管理義務違反としての損害賠償や慰謝料等の問題はどうなっているのか、特に軽症の部類の労災・通災事故については適正に対応されているのか心配になるところですし、体調不良と分類したものの中には過労死との関連性も心配になりますが、そうしたことが適正に判断され、補償がされるような仕組みを設けてもらいたいということです。