ケラメイコス 〜 陶工の町 81

出光美術館(門司)古唐津展



 3月の終わりごろから青春18切符が1枚余っているので4月10日までに使うようにと子供から何度も言われて仕方なしにというか門司まで各駅停車を乗り継いで行ってきました。片道4時間ほどかかるため門司に滞在したのは2時間程度で、美術館しか見学していないのでどのような町なのかも全く分からないというのももったいない話かもしれません。訪れた先は出光美術館で、開館10周年記念展として開催されていた古唐津展が目的でした。博多の田中丸コレクションと双璧をなす古唐津コレクションの展示ですから丁度いい機会であったといえました。器の形態ごとに分類されており、図録で馴染みのあるものも多く写真と実物の違いがよく分かりました。特に大きさや肌合いの調子などを実感することができました。図録が作成されていなかったのが残念でしたが、手元にあるこのコレクションの資料から探し出すことができますが、時間がたつと印象深かったものでさえ記憶が乏しくなってしまうので図録があればと思います。
 展示方法は茶碗、花生、鉢や向付などに分類されていました。長年使い込まれた風合いの茶碗などさすがに名品揃いで何度も行ったり来たりしながら見ましたが、もう少しゆっくりとしたいし、再度見学に行きたい内容でした。こうしたいい展覧会を見ると収集欲に火がついてしまいます。現代の作品と比べること自体意味が無いことですが、現代の作品の中から使い込むことによってこれらのようにいい感じに変化していくものがどの程度あるのでしょうか。しっかり焼いたものでなければ400年も持たないどころか数十年の命しかないかもしれません。以前は早く変化の出るもの、少し焼きが甘いものの方がいいと考えていました。早く変化の出るものはどうも汚らしい感じの代わり方をしていくようです。何事もゆっくり時間を掛けて変化するところに味がでてくるのは人間にとっても同じかもしれません。しかし常に使っているとその変化がわかりませんので、比較してみる目的で、三玄窯で同じ湯のみを2個買ってきて一個だけ使い、一つは包装も解かずに仕舞いこんであるので、比較する日がくるのを楽しみにしています。もう30年近くになるかもしれませんが対して変化が無いのが現実でしょうが、胎土の色が少し浮いてきて来ている部分もみられ全体に落ち着いた雰囲気ナはなってきていると思います。それよりも三玄窯の伸びやかな絵を眺める方が楽しいですね。ココの絵付けは出光美術館の収蔵品と同レベルにあり、展覧会を見ながらお皿を買いに行かなければと思ってしまいました。食器は常に後回しでしたから・・。
 下の写真は祖父の収集品のなかにあったものです。唐津が好きで陶片なども沢山有ったとのことですが、引越しの際処分してしまったとのことで趣味の無いものにとっては美術品もゴミクズでしかありません。左のものは無傷の香炉で図録等でも見かけることはほとんどありません。目の細かいねっとりとした土味で裏面にはまアウディのマークのように三つの○文が組み合わさっています。
 真ん中のものは茶碗としていますが、一般的な碗として造られたものでしょう。無地で小振りな茶碗としても楽しむことができます。香炉と同様の土味です。
 右の絵柄は同様のものを時折見かけます。ガッチリと造られた茶碗で、手取りは重く、土味はざらついた赤い土が使用されています。口縁には鉄釉が塗られた皮鯨となっています。見込みにカセがあるのが残念です。

  
唐津香炉 唐津焼 唐津焼
唐津香炉
唐津茶碗
唐津茶碗