ケラメイコス 〜 陶工の町 61

茶碗−1

 

 やきものを集める場合、それぞれ中心に据えているものがあります。磁器か、陶器か、また中国、朝鮮、東南アジアまた国内のものなど・・。国内のものとしても唐津焼や美濃焼などの地域が中心となったり、特定の陶芸家を追いかけたりとさまざまです。サラリーマンが集めるのですから高名な陶芸家のものや大きなものまた茶碗となるとなかなか手が出ないのが現実です。私自身もコレクションは地域を問わずぐい呑を中心に据えていましたので茶碗はほとんど無いと思っていました。しかし今回の記事として茶碗を考えてみると意外となにやかやあることに気づきました。茶碗に関心が無かったのではなく、手が出ないため集めることに関心が無かっただけでやきものを考えるときの中心には茶碗がありました。ただ現代のものにはなかなか関心を引かれるものが少ないのが残念です。唐津の窯場を廻っても、画廊に行ってもなかなかいいものが無いのが茶碗かもしれません。お茶をしっかり勉強されていないからかもしれません。唐津の藤ノ木土平先生の茶碗も同列で関心がもてなかったのですが、何時のころかお茶にのめり込まれてからは格段に進歩されたといえます。同時に一昔前とは違うぐい呑も造られてきています。これからが楽しみな陶芸家と考えています。
 お茶を勉強するに従って茶碗が良くなるのは当然かもしれませんし、お酒を呑まなければ良いぐい呑も出来ないのかもしれませんが、西岡先生はお酒を全くお酒を呑まれないのに素晴らしいぐい呑を造られていました。窯場にお伺いして話しているとぐい呑を湯のみ代わりにされていますので、手取りや口当たりなど自然に会得されていたのだろうと思います
 左のものは西岡先生の全面に梅華皮(かいらぎ)の出た絵唐津茶碗です。先生の話では佐世保市に所在する牛石窯の古い陶片を復元したとのお話でした。写真ではよく分かりませんが全面に細かな梅華皮が出たしっとりとまたゆったりとした感じの茶碗です。似たような梅華皮を出したものに蛇蝎唐津というのがあり、西岡先生のところでは古松唐津と呼ばれていますが、これは鉄釉の上に長石釉を二重掛けしたもので技法的に違ったものとなります。
 真ん中のものは厚手で轆轤目を強く出した力強い絵唐津の茶碗です。絵は○△□が三方に描かれておりこれは四角の部分です。華奢な感じの先生でしたが、作風としては豪快でありながらも使うものの心を確りつかむ作品を造られていました。改めて先生の茶碗を眺めて、絵唐津の良い茶碗が欲しいとの思いに駆り立てられました。
 右端は小山富士夫先生の信楽の茶碗です。西岡先生の窯の名前小次郎窯は小山先生が命名されたと聞いています、小次郎窯で作陶されたとき造られたぐい呑など見せていただいたことがあります。小山先生の作品はその風貌どおりというか飄々とした何とはなしにひきつけられる魅力を持っています。先生独特の撥高台から立ち上がってくる形がなんともいえなく魅かれています。昔から花の字の色絵の杯が欲しいと思いながらも指をくわえて見ていますが、欲しいうちが花かもしれません。

 ホ−ムぺ−ジには他の作品も展示していますのでご覧ください。


西岡小十 西岡小十 小山富士夫
絵唐津一文字茶碗
西岡小十
絵唐津○△□茶碗
西岡小十
信楽茶碗
小山富士夫





 ホ−ムぺ−ジには他の作品も展示していますのでご覧ください。