ケラメイコス 〜 陶工の町 E 有田町界隈-1

       前回は、有田の町に入って九州陶磁文化館と柿右衛門窯の周辺を話しました。今回から有田町のメインストリ−トを下りながらみていきます。有田町のホ−ムペ−ジを下に記載しておきますので参考にしてください。今、インタ−ネットによる古陶磁相談会を開催長とのことです。写真をとり、メ−ルで送ると鑑定してもらえるそうです。

 古伊万里、有田そして唐津について簡単に説明しておきます。「なんでも鑑定団」や雑誌などで古伊万里という言葉は良く聞いたり、見たりされると思います。昔、有田焼は車で20分ほどの伊万里市から各地に運搬されていたことから、伊万里焼と呼ばれていました。当時、唐津焼で有名な市ノ瀬高麗神窯などはあっても伊万里市周辺には磁器を焼いた窯はなかったかと思います。ただ、少し奥に入った大河内山で鍋島藩が直営の窯を持っていました。これが色鍋島と呼ばれるもので、藩の什器、幕府や各大名への贈答品として焼かれ、一般に流通することも、ヨ−ロッパ等へ輸出されることもありませんでした。国内やヨ−ロッパ等に向けて輸出されたやきものは有田町で焼かれていました。従来、様式による分類として、古伊万里様式、柿右衛門様式そして鍋島藩様式と三つに分類されてきていましたが、古窯の発掘が進むにつれて加賀で焼かれていたとされる古九谷が有田で焼かれていたことが分かり、今ではさらに古九谷様式も追加して大きく4つの様式があるといえます。これはあくまでも磁器についての話ということになります。というのは有田焼といえば磁器を意味しますが、磁鉱石が有田町の泉山で発見される1600年前後は、肥前一帯は唐津焼が焼かれていたからです。朝鮮から連れてこられた陶工達は磁器を焼きたくても良質の磁鉱石がなく、磁鉱石が発見されるまでは唐津焼を焼いていました。この発見を境にして有田町周辺の窯は磁器を焼く窯に変わり短期間に技術も向上し、全国に運ばれ、海外に輸出されるようになりました。一方、この後、唐津焼は唐津市周辺を中心として細々と命脈を保ったといえます。唐津焼は、絵唐津、朝鮮唐津や斑唐津と呼ばれるものの他に、現在、民芸として括られる黒牟田や多々良そして緑と茶色で松の絵を描いた甕を焼いていた弓野などもあります。以上が肥前のやきもののアウトラインです。

 嬉野から有田に入った人は、柿右衛門周辺を見た後、武雄方面から入った人は最初に採石場の泉山を見学して、有田町のメイン道路を下りながら見学していけばいいかと思います。

 泉山という名前から山があったのでしょうが今は山どころか山は既になくなり、見学する地点から数十メ−トルもえぐられ広島市民球場ぐらいの大きなくぼ地が出現しています。すさまじい量のやきものが焼かれたと実感できます。今でも採掘しており時々ダイナマイトの音が聞こえ、トラックもみられます。今の有田焼ではここの磁鉱石は使用しておらず天草の磁鉱石を使っているとのことです。今採取されているのはこだわりを持った人が使っているのでしょうか??

 泉山の隣に有田歴史民俗資料館がありますので、ここを覗いて、道なりに下っていきましょう。有田陶器市(4/29〜5/5)の時はこのあたりの駐車場に入れてここから始めるか、有田焼直売会館の裏において上有田駅に向かって下りていくのがいいかと思います。

 有田焼直売会館には、各窯元の作品がたくさんあるのでおおよその検討をつけるのにいいかと思います。また、この裏手には陶芸作家村があります。陶芸作家村では染錦を焼いている走波窯(佐藤走波)が楽しめると思います。これ以外いくつか覗かれて、有田焼直売会館の道路の向かい側から上有田駅に行く途中、道路を渡ってすぐの所に聡窯(辻毅彦)があります。白磁の肌に線刻したり、染付に多少色を使ったモダンな感覚のやきものを造っています。このまま道なりに下って行くと有田町のメインのバス通りに出ますので、右に行くと泉山左に行くと陶山神社や今右衛門窯の方面となります。ここで泉山からここまで下ってくる途中には大銀杏がありますがその他見学するところはありません。この合流したところから少し下ると岩尾對山窯があります。ここはぜひ覗いてください。昭和43年に皇居新宮殿造営に当たり納入するために人間国宝の加藤土師萌がここで「萌葱金襴手大壷」を焼きましたが同じものが残されています。非常に美しいつぼです。薄い緑色の地肌に金箔で模様を付けたものです。そのほか古陶磁の展示室もありますし、絵付けもできます。

お 勧 め の 窯 場 の 所 在 地
有田町 http://www.town.arita.saga.jp/ TEL:0955(43)2101
走波窯 http://www2.saganet.ne.jp/frkwa/souha.htm TEL:0955(43)2403
聡窯 http://www2.saganet.ne.jp/sohyoh/ TEL:0955(42)2653
岩尾對山窯 http:/www.iwao.co.jp/taizan/ TEL:0955(42)5841