ケラメイコス 〜 陶工の町 48
酒を呑む器−34 古い唐津焼

 古伊万里とか、古唐津という言葉をよく聞かれると思います。古伊万里というと、17世紀にヨ−ロッパに輸出された一群の伊万里焼や幕末ごろまでの色絵や染付けの伊万里焼をすぐに連想します。同時に、泉山で磁石が発見されて以来今日に繋がっているさまを思い浮かべることが出来ます。しかし、古唐津となると、桃山から江戸初期、1600年前後の数十年の時代に煙を上げていましたが、泉山の磁石発見を機に、一斉に古伊万里を焼く窯に転換するか廃窯して、忽然と姿を消してしまいます。近隣地域の需要を満たす甕や鉢を焼いた多々良や黒牟田などの今で言う民芸系統の窯として生き延びものがある程度で、いわゆる唐津焼と呼ばれているものは江戸時代を通じてどのような状況であったか良くわかりません。ここで古唐津とは16年前後の唐津焼ということになります。
 この時代のもので傷が多いものであっても形の良いものやま斑唐津のぐい呑などになるとかなりな高額で取引されています。インタ−ネット・オ−クションには特別いいものは出ないにしても少しいいものでは20万円前後で落札されるものもありますし、かなり眉唾と思わざるを得ないものが出ているのも事実です。それを判断するだけの知識・経験が無いのが残念です。骨董に限らず、現代陶であっても買って、手元において毎日見ていないとその良し悪しは分からない面がありますので、手ごろなものは買ってみるということになり、いくつか集まってきました。手元に来てからいまひとつと思うものもあれば、良かったと思うものもあり、これが収集の楽しみかなとも思います。左の二つがインタ−ネット・オ−クションで買ったものです。
 こうした発掘品の場合土銹という嫌なにおいが染み込んでいますのでこれを取り除かなければ使用できないという難点があります。これがあるから本物といえるのかも知れません。ハイタ−一晩浸けておけば取れる場合もありますが、日光にさらしたりハイタ−に浸けたりと数度繰り返す必要がある場合もあります。他にもいい方法があるのかもしれませんが、これも楽しみの内。
 左端のものは伊万里市にある市ノ瀬高麗神窯のものとの説明があったものです。形が良く、見込みも広く、ゆったりとした気持ちでお酒が楽しめます。思ったよりは安く落札できたと思っています。大小5つの陶片で呼継されていますが、口には皮鯨の陶片もあり、釉薬の欠け外しもあり、大きさも手にすっぽりと納まり言うことのないものです。また、低く削りだされた高台の茶碗が好きなのでその点でも気に入っています。ただ、直しがよくないのでいずれは金直しに出さなければと思っています。
 真ん中のものも呼継されたもので、こちらは立ぐい呑といっても、非常にぎこちなく直されています。アルコ−ルに弱いくせにちびちびやるのが好きではない私には、大振りなのでうっかりすると呑みすぎてしまいます。手ごろな大きさのものを選ぶ必要がありますが、これまでも「また出てくるだろう」で失敗していますので買っておかなければとの気持ちが出てきてしまいます。
 右端のものは、30年ほど前、博多の古美術店で買ったもので、口に金直しが一箇所あります。手取りもよく、見込も広く、大いに気に入っているものですが、前の二つほど時代が遡るといえるかどうか。土の感じなどから江戸期の京都あたりのものではとの一抹の思いもあります。

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古唐津 古唐津 古唐津
古唐津ぐい呑
古唐津ぐい呑
古唐津ぐい呑