ケラメイコス 〜 陶工の町 D 嬉野から有田へ

     今回は、嬉野から有田に向かっていきます。時間があれば、風ン谷淳窯を訪ねてみるのも面白いと思います。のんびりと伝統にとらわれない独自の作品を作っています。

   有田に向かう途中、日常の食器を造っている波佐見焼の産地を通ります。ここには、著名なデザイナ−森正洋がいる白山陶器(株)があります。さらに進み有田の町に入る前に有田ポ−セリンパ−クがあります。ここを過ぎると、5分ほどで国道35号線と交差します。交差点を左折すると左の丘の上に九州陶磁文化館があります。草創期からの有田焼や唐津焼の歴史、現代の九州陶芸の紹介等充実した内容を持っています。柴田夫妻が寄贈した有田焼の初期から幕末にいたる日常使われていた食器類の膨大な柴田コレクションが展示されています。今年出版された「柴田コレクション総目録」をみると、4,226件10,077点の寄贈をされたとのことです。この一部が常設展示されています。また、17世紀から18世紀にかけてヨ−ロッパに輸出され里帰りしてきた古伊万里を収集した蒲原コレクションも展示されています。有田見学の第一歩はここから始めるのがいいと思います。古伊万里に関心のある方は、「柴田コレクション総目録」(4,000円)の購入をお勧めします。565ペ−ジ全てカラ−写真で、年代別器種別に配列されています。全て表と裏の写真がセツトとなっていますが、4cm×3.5cmと小さいのが難点かもしれません。今まで展観した図録8巻も販売してますので併せて購入されてもよいかともいます。総目録から各図録へと検索できるように配慮されています。

   次の見学場所は、この近くの柿右衛門窯ということになります。国道35号から左折して細い道を入りますが、少し行くと右手に馬鹿でかいものを造る窯があるので車の中から眺めてください。柿右衛門窯の敷地に入ると左手に萱葺き屋根の家と大きな柿の木が、右手にコンクリ−ト造りの展示室が眼に入ります。デパ−トよりは品物が多いだけといっておけばいいかと思います。ただ、注意しておいていただきたいのは、今右衛門窯、太郎衛門窯でも同じですが、こうした窯では、本人さんの作品と職人さん達が分業して造った窯の作品があることです。見分け方として裏に染付けの字で銘が入っているものは先生のものではなく窯の作品です。太郎衛門窯は、三つの点が穿たれています。もし、何らかのル−トがあれば、連絡をしておいてもらうと、窯や作業場を解説付きで案内してもらうこともできます。

   柿右衛門窯の少し手前に古淋庵という店があります。ここは、長年、柿右衛門窯の職人さんであった人か独立して開かれた窯で、柿右衛門窯と遜色の無い作品が安く手に入りますので、ブランドにこだわらなければこちらで買われたほうが良いといえます。陶器市の時には4寸程度の小皿が300円程度で沢山売っているのでこれを楽しみにしています。

   ここから歩いてすぐのところに白磁で人間国宝になった井上萬二窯があります。陳列室をざっと見学されればいいかと思います。

   このあたりでお昼時になりますが、いいお店がないので、国道沿いの店か、町役場近くのおすし屋さんかとなります。有田には独特の豆腐「呉豆腐」というのがあります。でんぷんを練りこんだネットリとした食感のものでした。かなり前ですがNHKが紹介したので「呉豆腐あります」と看板を出している店で食べるか、造っているところを訪ねて買うのもいいのではないでしょうか。有田の見学を済ませ、伊万里で遅い昼食をとる方を勧めます。「リンガ−ハット」のちゃんぽんか皿うどん、道路端に展開している「牧のうどん」もお勧めです。

お 勧 め の 窯 場 の 所 在 地
風ン谷淳窯藤津郡嬉野町丹生川電話0956-85-3251
白山陶器長崎県東彼杵郡波佐見湯無田郷1334
電話 0954-26-2422
柿右衛門窯西松浦郡有田町西部丁352電話0955-43-2267
井上萬二窯西松浦郡有田町西部丁307電話0955-42-4438


九州陶磁文化館
西松浦郡有田町中部乙3100-1 電話0955-43-3681
図録等はインタ−ネットから購入できます。
http://www.pref.saga.jp/kyouiku/kyuto/