ケラメイコス 〜 陶工の町 47
酒を呑む器−33 唐津諸窯

 唐津に通い始めたころに比べると窯の数が増えてきており、それぞれ特色ある作品を作られています。たまに唐津に行ってもなかなか新しい窯を訪ねる時間の余裕に乏しいく、いきなれた窯ばかり訪ねることになります。時間的な余裕もさることながら、離合できない道を入り込んでいかなければならないと考えてしまうとしり込みしてしまうところもあります。今回、広島で作陶展を行う小島先生の曹源窯も最初はそうでした。川沿いの狭い道が轍で深く削られ、左は崖。轍に嵌まると身動き取れなくなりそうな道でした。帰りに教えられたのは簡単にもとの道路に出ることができる道でした。昔は、それぞれの窯の入り口に矢印が出ていましたがいつの間にか消えてしまいました。観光客のことを考えて唐津市が看板設置をすればいいのでしょうが・・。

 曹源窯を知ったのは、この窯の近くにある幸悦窯で山瀬の土を使った唐津焼の話をしていたとき、曹源窯の作品が古唐津としてインタ−ネットに出ていたとの話から、いい作品を出していると聞き、その足で訪ねた窯でした。坊主頭で目の大きな楽しいやんちゃ坊主といった感じの先生でした。いろいろ質問すれば作品や古い陶片などを出してきて熱心に話を聞かせていただくのを楽しみにしてたずねていくのですが、あまり作品を買った記憶が無いのがいけません。窯焚きを終わって冷ましているときにたまたま出会い、窯の中で貫入(釉薬のヒビ)の入る音が聞こえるから聞いてくれば良いとのことで聞きにいくとなんともいえない神秘的な音が窯中に響き渡っていました。か細く、透き通るようなピン、ピンという音には感動しました。

 ここの窯の特色は古唐津で珍重される山瀬の土を大量に確保しており、この土を使った作品を沢山造っていることです。使っているうちに肌理の細かい貫入が入るのが特徴です。今回あげたのは、全て山瀬の土を使った作品ばかりです。

 左端と真ん中が小島先生のぐい呑みです。左端が透明な釉薬を掛けた筒型のぐい呑で細かな貫入が見られますが、窯出し後、貫入をある方法で入れられたとのことでした。

 真ん中のものは、斑唐津で非常にきれいな上がりとなっています。食器棚には入っているのですが、ほとんど使うことも無いので貫入はまったく見られません。

 右端のものは、唐玄窯の島谷啓介先生の山瀬のぐい呑です。簡略な絵が描かれているだけのものですが、熱いお酒を注ぐと見込みの一部分がほのかにピンク色変わります。胎土の鉄分の影響でかすかなピンク色の窯変が強調されるようです。お酒がたっぷり入るのもいいのですが、こうした形で、小ぶりなものもいいのですが、造る人も少ないようでなかなか見かける機会が無いのが残念です。

 ホ−ムぺ−ジには他の作品も展示していますのでご覧ください。


小島直喜 小島直喜 島谷啓介
小島直喜
唐津ぐい呑
小島直喜
斑唐津ぐい呑
島谷
絵唐津ぐい呑