ケラメイコス 〜 陶工の町 30
酒を呑む器−19 

 今回は徳利を取り上げてみました。ぐい呑でお酒を呑むときに欠かせないのが相方の徳利となります。どうした加減か徳利には余り関心が向いていきません。値段が高いということもありますが、なかなか気にいるものがないのが現状です。見た瞬間に欲しいと思って手に入れたものは中里隆先生の黒高麗風の下膨れした黒い徳利ぐらいしか思い浮かびません。そうはいっても押入れを探せばいろいろ出てくるはずなのです思い浮かべられるものは数本程度しかなく後は思い出すこともできません。形、大きさ、手取りなどを考えると楽しめるものがないのは何故でしょうか。自分の酒量に応じて探そうとしているためかもしれません。1合以上入る徳利を必要としていないからなのですが、この大きさの作家ものとなると意外と造られていないようです。その反面、ぐい呑となると大振りのものが好きときているため、ぐい呑みで3杯も呑まない内うちにお酒がなくなってしまい違和感があるので、最近は小さなぐい呑を使うようになりました。いずれにしても7酌〜1合程度しか飲まないから・・・。
 ここにあげたものは良く使うので食器棚に置きっぱなしにしている徳利たちです。右端のものが1合、他はや7〜8酌程度しか入らない小振りな徳利です。
 左端は、唐津の土平さんのもので、大昔、広島のデパ−トでの個展で買ったものです。同じような灰被りのぐい呑とセットになっています。最初は真っ暗な塊でしたが、使っているうちに灰が落ちてきて、写真の様に下から斑釉が浮かび上がってきました。さらに使い込めば鮮やかな色合いに変化すればいいのですがどうなりますか。真中のものも土平さんです。非常に珍しい李朝風な白磁の作品です。何時ごろだったか覚えていませんがかなり昔ごく一時期白磁を焼かれていました。李朝風とはいっても李朝の洗いざらしの木綿の色合いを感じさせる白磁釉ではありませんが、愛らしい好感のもてる作品てせす。土平さんの作品は彼の人間性を良く現していると思います。かなり考えて造られているとは思いますが、造りこんだといった嫌らしさが感じられません。同時に、特別人の気を引くといったものでもありません。日常使っても飽きることがありません。これが一番でしょう。
 右端は、嬉野にある一位窯の作品です。最も愛用しているもので、中国の元の時代に発明された釉裏紅と呼ばれる釉薬の下に銅で絵を描く技法を用いたものです。銅は揮発しやすいため焼成が難しいといわれており、紅いろが鮮やかに発色している作品はなかなか見当たりません。有田の先代松本佩山が実に発色・図柄ともに素晴らしい釉裏紅の大皿を焼成しています。一位窯は手頃な値段で楽しめる器を作っていますので、嬉野温泉に行かれたら是非寄ってみてください。我が家の食器棚にはこの徳利、御飯茶碗、ス−プ用碗、小振りな青白磁の湯飲みなど日常使いの器などはいっています。


斑唐津徳利 白磁徳利 釉裏紅徳利
斑唐津徳利
W8.0×H10.0
白磁徳利
W7.0×H9.5
釉裏紅徳利
W7.0×H11.0