ケラメイコス 〜 陶工の町 24
酒を呑む器−13〜ビ−ル用の器

 これまで日本酒を呑む器としてのぐい呑を中心に見てきていますが、今年は例年にも増して早くから暑いように感じられます。そうなるとやはりビ−ルということになるのでビ−ルを呑む器を紹介します。

 普通ビ−ルはガラスのコップで呑むということになりますが、備前焼や信楽焼きなどの釉薬を掛けない焼締めの器を使われる方もいらっしゃると思います。不思議なものでこれらの器にビ−ルを注ぐときめ細かな泡が立ち、口当たりも柔らかくなります。魯山人はビ−ルは一口で飲める大きさの器が良いといっていますが、普通やきものを使用される方は大振りの湯呑を転用されているのではないでしょうか。

 左側の写真は、唐津の隆太窯の中里太亀先生の南蛮と呼ばれる焼締めの器です。湯呑なのかビ−ル呑みなのか分かりませんがビ−ル呑として使っています。ちょうど良い大きさですし、薄く造られていて手取りも軽く、口当たりも良く大いに楽しんでいます。隆太窯の作品はどれをとっても使い勝手がよく、また、ばら売りされていたりでうれしい窯です。また、窯場の雰囲気もよく、隆先生、太亀先生ともに気さくで、作業場に呼び込まれてロクロの前で仕事を見せていただいたことが何度かありました。

 真ん中の器は美濃の米田万太郎先生の織部の器です。この作家のことはあまり知りませんが、黄瀬戸、瀬戸、志野や織部を手がけ楽しめる器を安く提供してくれる作家です。黄瀬戸のぐい呑を以前見たことがありますが、そのころはまだまだとの感じでしたが、最近は良くなってきたように思います。簡単な絵付けですが細かく描かれているものよりはこれぐらいがいいのかもしれません。

 右端は京都の吉川充先生の作品です。青白磁の作品で350mlのビ−ルがほぼ一本はいる大振りの器で、青白磁獣足杯と箱書きされています。以前「陶説」という雑誌にこの器が紹介されており、どこで手に入るか分からなかったらたまたま某画廊のHPで名前を見つけ、問い合わせた結果、先生のところに残っていたものを分けていただいたものです。古代中国の青銅器にヒントを得て作成されているため鋳型により成形されています。胴に見えるぎざぎざは鋳型を外したときに出来るバリをそのまま残しているものです。獣の顔をした三つの足が器を支えています。これも別に作成し貼り付けるということになりますのでかなり手間のかかった仕事をしていると感心します。食事をしながらであれば一口サイズの器で味わいながら呑むのもいいかもしれませんが、やはり喉が渇いているときはこのような大振りの器でぐいぐい呑みたくなります。青白磁という涼しい色合いの器であればなお良しということになります。



南蛮唐津 中里太亀 織部 米田万太郎 青白磁獣足杯 吉川充
南蛮唐津 中里太亀
W6.5×H8.5
織部 米田万太郎
W7.5×H10.5
青白磁獣足杯 吉川充
W9.0×H11.5