ケラメイコス 〜 陶工の町 O 酒を呑む器−2〜青磁−2

   前回は、将来の人間国宝候補者である川瀬忍先生と人間国宝になった三浦小平二先生のぐい呑みの写真を掲載しました。いずれも鮮やかな青い系統の青磁でした。青磁の色は前回も触れたように初期の茶色っぽいものを除けば、青い系統のものと緑の系統のものに分けられます。青の系統は宋の時代が中心で、以後質が低下し緑色に変化して行ったといえます。しかし緑色の系統の朝鮮の高麗青磁は非常に高いレベルの作品を焼いていますし、白や黒の象嵌模様と組み合わせた高麗青磁は朝鮮独特のものといえます。この流を汲んでいるのが秀吉の朝鮮侵略戦争時に拉致されてきた陶工によって唐津焼(今は耕悦窯が焼いています。)や高田焼(八代焼)にその技法が受け継がれています。伊万里焼では初期から緑色の青磁が焼かれており、鍋島藩窯でもそうですし、兵庫県の三田青磁も緑色青磁を焼いています。昔から青磁は造られていたのですが、近年は宋の官窯の青い青磁を目指す作家が出てきていますが、なかなかこれはと思う作家がいません。この二人に先立って、宋の官窯青磁を目指し、二重貫入を地肌にいれた作品を造っている岡部嶺男先生、清水卯一先生がいます。わが国青磁作家の最高峰は岡部嶺男先生ということになると思います。かって米色青磁(黒っぽい灰青色)の天目型の茶碗を見たことがありますが、稟として他を寄せ付けないような厳しさをもった茶碗でした。また、他の作品をみても川瀬忍先生の女性的な柔らかさの対極にある力強い作品を造っています。

 あと佐賀県の嬉野温泉近辺の弓野というところで活動している中島宏先生という作家もいます。この作家の特徴は中国古代の青銅器をイメ−ジした形の青磁を焼いています。ぐい呑みをみても釉薬は非常に厚くかかっており、透明感に乏しく手取りも重く今ひとつとの感じがあります。最近は沢山いい青磁を焼く若手が出てきており楽しみなのですが、ついつい川瀬忍先生と比較してしまうと今ひとつとなってしまいます。作品を色々みたい作家に浦口雅之先生?という青磁作家がいます。ただ、一度だけ数点の作品を見ただけなのでなんともいえませんが・・・。

 青磁ではないのですが、この系統というか、白磁の系統といえばいいのか分かりませんが、影青(インチン)とか青白磁と呼ばれるものがあります。わずかに青みを帯びた白磁ということになります。これは地肌に模様を刻みそのくぼんだ部分に貯まった釉薬が厚くなることによって青い色を呈するといったものです。非常に涼しく、感じのいいやきものといえます。この作家では、小山富士夫大先生に影響を受け、人間国宝になった塚本快示先生がいました。小山先生自身もこの窯ですばらしい青白磁の作品を焼かれています。塚本快示先生は、個人の作家活動と同時に、快山窯という工房を運営されていました。ここの作品はデパ−トや食器店で見ることができます。毎日使うとしたら青磁よりも青白磁を使うことになってしまいます。泡盛に嵌ってからは、嬉野にある一位窯(田中一晃)の面取りした青白磁の湯のみでロックを楽しんでいます。この窯は青白磁と釉裏紅の作品が中心で、特に釉裏紅の作品は女性の好みそうなやさしいものです。有田の町からでも30分、嬉野温泉のすぐそばですからこちら方面にいかれたら見学をお勧めします。

http://www.nihon-kogeikai.com (人間国宝ギャラリ−→陶芸→三浦小平ニ・塚本快示・清水卯一・ 田村耕一で検索してください。)