ケラメイコス 〜 陶工の町 M  酒を呑む器−1

   3月の唐津に行った話しは前回で終わり、今回から酒を呑む器を取り上げてみたいと思います。日本酒、ビ−ル、焼酎、泡盛そしてウイスキ−・・・それぞれ好みの器で呑まれていると思いますが、あるやきもの好きはどのような器を使っているのか紹介してみたいと思います。

 ビ−ルについては、クリ−ムのような泡立ち、きめ細かい口当たりの良さからいって釉薬のかかっていない器に勝るものはないと感じています。釉薬のかかっていない器といえば、備前焼、信楽焼そして南蛮とか焼締といわれるものになりますが、生地は磁器のように薄くなければいけませんし、また一口で飲みきってしまえる程度の大きさがベストということになります。最近は備前の永末隆平先生のものを使っています。焼酎や泡盛の湯割りやロックとなると常滑の竹内公明先生の灰釉の「湯のみ」と決まっていますし、ストレ−トであれば、ウィスキ−も同様に「のぞき」と呼ばれる有田の猪口を。特に、シングルモルトでもクセの強いラフロイグ、ラガブ−リンなどのアイラ・モルトなどは呑みきった後にも器に香りが残りやすい口元がすぼまった「のぞき」ということになります。

 日本酒になると「ぐい呑」、ということになるのですが、冷酒か燗酒かで使うタイプが異なってきます。冷酒の場合には磁器の器か薄手に造られた陶器の器のように唇に当てたときの感覚がシャ−プなものでないといけませんし、燗酒ならば手の中にすっぽり納まり温かさ感じながら形、肌触りが楽しめ、唇にも熱さを強く感じさせない厚手のものということになります。冷酒用の陶器の「ぐい呑」にはなかなか薄手のものがないので、「のぞき」か「小さめのそば猪口」を使うということになってしまいますが、これがなかなか気に入った図柄のものが見つかりません。下に掲載した色絵と染付けのものはインタ−ネット・オ−クションで手に入れたもので利用頻度の高いものです。しかし「ぐい呑」となると先生方が沢山造っておられるので見る機会は多いのですが、逆に使ってみたいと思うものはなかなかありません。そうかといって古いものの中から探そうと思っても値段との兼ね合いから難しい面もありますので、古いものについては傷のある無しを問わずというスタンスで集めています。

 現代の作家では、原憲司先生と川瀬忍先生以外にはインパクトの強い作家がいません。備前の隠崎隆一先生も面白いものを造っていますが、見て楽しめても使いたいと思える作品ではないのが難点です。今の時期は、川瀬忍先生の青磁のぐい呑でキリット冷えた吟醸酒が最高の組み合わせと思いますが、何故か川瀬忍先生の青磁の「ぐい呑」を使った記憶がほとんどありません。時間はいくらでもあるのに、無駄な時間ばかり過ごしてのんびりした時間を持つことが出来ないからですが、いつかは心のゆとりが出来てゆっくりとやきもの好きの仲間と楽しめる日がくるのではと思っていますが・・・・その日のために使うぐい呑をこれからも集めていきましょう。