ケラメイコス 〜 陶工の町 K   唐津市周辺-3

  【凌雲窯】
 唐津の作家の中では群を抜いたセンスの良さと実力を兼ね備え、唐津焼の素晴らしさをアピ−ルしているのが凌雲窯の西岡良弘先生です。こじんまりとした感じの良いアトリエと陳列室は先生の人間性をよく現していると思います。非常にすがすがしい雰囲気がこの窯の特徴であり、先生自身だと思います。しかし、窯を見ると非常に力強い、他の窯に無い威圧感を感じます。内剛外柔。何時行っても丁寧に、気持ちよく応対していただけますし、素人の質問にも細かく話しをしていただけます。唐津で必ず訪ねていただきたい窯は、前々号で紹介した隆太窯とこの凌雲窯です。後はどうでもいいというわけではありませんが、この二つの窯が他の窯にない際立った魅力を持っているとしかいいようがありませんので・・・。ただ、凌雲窯は作品の値段が高いのですが、それを超える魅力があります。

 今回は、あいにく先生は不在でお会いできず残念でした。お弟子さんに陳列室を見せていただきましたが、厳しく作品を選別されているだけあって、全てため息がでる作品ばかりで、やきものに関心の少ない同行の3人も他の窯の作品との違いが分かり、欲しい作品があったようですが、先生が不在では値段が分からず諦めざるを得ませんでした。この窯の特色一つに、古松唐津(こしょうからつ)と呼ぶ種類の唐津焼があります。これは技法的には蛇蝎唐津ですが、従来のものと異なり独特な肌合いを持っています。古い松の幹が割れている様子を現していることから古松唐津とある方に名付けてもらったとのことです。従来の蛇蝎の名前がよくないということもあるでしょうが、より洗練された技法として古松唐津と呼び区別する方がいいと感じています。

 先生の作品で、一番好きなのは朝鮮唐津ということになります。器形と釉薬の調子が織り成す味わいはなんともいえません。

 小十先生の豪快さに比べ、繊細というか、女性的というか、誰にでも違和感無く受け入れることができる作品です。ぐい呑みにしても、湯のみにしても手のなかに気持ちよく収まります。ぐい呑みも冷酒が美味しく呑めるように薄く造ったりといろいろ工夫されていますので、ぜひ一つ手元において愛用してみてください。凌雲窯のHPで作品を見ることが出来ます。

【耕悦窯】
この窯は、バス道路から窯の案内標識に従って車一台が通れる程度の山道に入って行きますが、窯にたどり着くまでは、対向車が来ないことを祈りたいような気持ちになると同時に、果たして道を間違えたのではないかと不安になります。夏の草が生い茂った状態では・・。そして最後の30mほどは急な登り斜面になっており、たどり着いたらホッと一息つくような場所にあります。この窯の特徴は、唐津で一番大きい登り窯があることと他の窯では見られない高麗青磁風な白泥を象嵌した青唐津と絵唐津の繊細な細い線にあります。特別奇を衒ったものを造らず、基本的な食器造りに徹している窯で気楽に買うことが出来ますが、もう一つ物足りなさを感じることも否めないのも事実です。ただ、先生も作品も嫌味がないのがなによりです。また、抹茶茶碗も手ごろな価格で手に入りますのでお茶をやる人はいいのではないでしょうか。

                

お 勧 め の 窯 場 の 所 在 地
凌雲窯 佐賀県東松浦郡浜玉町南山3170
http://www2.saganet.ne.jp/koziro/
電 話 0955-56-2025 
耕悦窯 佐賀県東松浦郡浜玉町東山田2034 電 話 0955-56-8123