ケラメイコス 〜 陶工の町 I 唐津市周辺−1

         3月20日〜21日の連休、久々に唐津に遊びに行ってきました。唐津の町ではここ数年新しい道がどんどん出来ており、行くたびに戸惑っていましたが今回もそうでした。呼子に魚を食べに行く人が増えてきているためではないかと思います。今回はいままでと違い、ほとんどの窯で先生にお会いできました。窯出しの日であったり、窯焚きが終わった直後であったり、個展の直前で忙しく製作されている最中であったりと訪問する方にとっては最高でした。

 今回見学した窯は、初日が、土平窯、小次郎窯、隆太窯、三玄窯、鏡山窯そしてアルピノで唐津焼協同組合加盟の窯そして市内の陶芸店。翌日が、耕悦窯、曹原窯、凌雲窯、土平窯、隆太窯そして太郎右衛門窯でした。もう少し沢山まわれるのではと思われるでしょうが、先生とついつい話し込んでしまい長居をしてしまうので思うように沢山の窯の見学が出来ませんし、新しい窯の訪問ができないのが現状です。訪問したところで・・・との思いが強いからかもしれませんが・・。

 【隆太窯】
 今回珍しく二日とも隆先生とご子息の太亀先生が二人揃って仕事をされておられ、まじかに見学し、いろいろ話を伺うことができたのが大きな収穫でした。近々個展があるため仕事をされておられたのですが、仕事場の入り口から見ていたら、中に入って構いませんよと声をかけていただきました。お二人とも気さくな方で写真をとるのも問題ないとのことですし、湯飲みやぐい呑を瓜実型に縦線を入れて凹ます道具に野菜を使うと書いてあったことを思い出し野菜の種類を聞いたら大根を使っていたとのことですし、今では、太亀先生はゴムを使っておられるとのことでした。また、牛の舌と呼ばれるろくろで器を成型する道具がありますが、これも自分で造るものと思っていたところ、有田で専門に造っている人がいるのでそこで買っていたこと、ただ今は気に入ったものを造る人がいなくなったとの話も聴きました。話しているとお二人の作品から感じるおおらかな作風はまさに人間性そのものを現しており、よりいっそう作品のよさを感じることが出来ます。また、値段も日本を代表する陶芸家としては破格に安いことも話していると自然と理解できます。また、ここの窯は「乳母が懐」と呼ばれる地名のように両腕に抱きかかえられたようなのロケ−ションにあります。窯場の雰囲気、作品の持つおおらかさそして先生方の気持ちと三拍子揃っており、いつ訪ねても気持ちのいい窯です。隆先生の外国で製作された焼締めのかわいらしいぐい呑を1点買ってきました。唐津に行かれたらこの窯だけは訪ねてみてください。どこのデパ−トのやきものの売り場にも隆太窯の作品は置いてありますので見ることが出来ます。値段も窯と同じです。以前は、窯の作品もあったのですが、今回確認したら今は窯の作品は造っていないとのことです。太亀作として陳列してあります。

 【小次郎窯】
 ここ数年、金沢に窯に行かれることが多くお会いできなかったのですが、何年ぶりかで小十先生にお会いできました。今回は個展の準備をされておりゆっくりお話できませんでした。今年87歳になられ、まだまだお元気ですし、新しい作品がこれからも出るのを楽しみにしています。昔の小次郎窯は作品もたくさん展示してありましたが、金沢の窯を開かれて以降、非常に寂しくなっているため作品を見るためよりも、お顔を見に行くのを愉しみにしていました。小十先生の作品も先生の雰囲気を良く現しています。ただ、お酒を飲まれない先生にしては手の中にすっぽりと納まるいい「ぐいのみ」を造られています。お酒の代わりに「ぐいのみ」でお茶を飲まれているのでそのあたりの感覚がいいのでしょうか。先生がお茶を飲まれていた「ぐいのみ」が何点かありますが、見るたびにそのときの情景を思い出します。

 ここには、窯が3基あります。陳列室のすぐ上に一番大きなのが1基そしてその上の方と右奥の方に各1基の窯がありますが、3基ともそれぞれ形態が違っています。いままでは先生と話すことに気をとられて上の2基の窯を見ることを忘れており今回初めて見学しました。それぞれの用途の違いがあるのではと思いますので次回は忘れずに聞いてこようと思っています。