コレ?で、タバコを止める話

東雲クリニック  竹岡秀生

 「私はコレでタバコを止めました!」「私はコレ(小指)で?・・会社を止めました・・・。」以前こんなコマーシャルがありました。 禁煙・・タバコ吸うと家族からは嫌われるし、「体に悪い。」と医者からは言われるし、喫煙できる場所も少なくなり、それに・・税金はすごく高くなって家計にも響くし・・禁煙したいけどタバコが止められない・・今回は、禁煙に関する話題を提供したいと思います。
 ・・超!いまどきの話題です。

 喫煙による代表的な障害・・頭が痛い話:
 まずは、頭が痛い!話から・・。発癌、慢性気管支炎、肺気腫、心筋梗塞などの虚血性心疾患、四肢の末梢動脈閉塞による疾患などが挙げられています。発癌については、肺癌以外に食道癌、胃癌、喉頭癌、膀胱癌などの関係が指摘されています。
 慢性気管支炎や肺気腫は、タバコ煙中物質のホルムアルデヒドなどによる炎症反応、肺の弾力繊維分解、実質危弱化によって引き起こされます。慢性気管支炎、肺気腫などから生じた慢性閉塞性の換気障害は略して「COPD」とも呼ばれて、最近、話題になっている疾患群ですが、約85%が喫煙によるとも言われ、非可逆性の障害が進行性にみられます。禁煙は、COPD発症のリスク低下、憎悪防止に有効とされています。さらに喫煙者が吸う煙よりも周囲に広がる煙の方が多くの化学物質を含むことが知られています。周囲の人が受動喫煙を強いられる状況は避けたいものです。
 
コレでタバコを止めました?ニコチン依存症の治療って何?:
 「禁煙は、いろいろな病気の予防や進行を防ぐには有効?そんな事、十分に分かっとる!」とは言っても、やっぱり出来ないのが喫煙。なぜ止められないのか?・・大きな要因に「ニコチン依存症」があります。喫煙されている皆さんは、「いつ、なぜ喫煙を始めたか?」思い出してみましょう。好奇心、大人への憧れ、映画やテレビの喫煙姿の俳優がカッコ良く見えて・・・いつの間にか、“喫煙が止められない状態”になったのではないでしょうか?たとえ禁煙を開始したとしてもイライラ感、不安などの症状が出るため、タバコからの離脱が困難になることは多くあります。朝、起床してすぐタバコを吸いたくなる人は、かなり依存症が強いといわれています。これらニコチン依存症を克服する治療法として「代替療法」があります。
 現在、行われている禁煙のためのニコチン代替療法の一つは、ニコチンを含有する貼付製剤(テープ状の禁煙補助薬)を用いる方法です。この方法に用いる貼付剤には、ニコチンを除々に体内に吸収させる工夫がなされており、1日1枚を皮膚に貼付することにより2ヶ月間をかけてニコチン含有の少ないものに変えてゆくことにより依存症から脱却を図るといった「優れもの」です。ただし、この貼付剤を使う以上、禁煙する意思を持って下さい。禁煙する意志のない人は、絶対に使用しないで下さい。貼付剤を使用して尚かつ喫煙すると、多量のニコチンが体内に移行し、急性ニコチン中毒症状(めまい、発汗、震え、痙攣など)が発生する恐れがあります。また、妊婦、授乳婦、不安定狭心症、急性期の心筋梗塞症の方などは使用禁忌、心筋梗塞、狭心症の既往のある方や不整脈、高血圧、甲状腺機能亢進症、インスリン依存性糖尿病、褐色細胞腫、胃潰瘍などのある方には、慎重に使用することが求められています。

 ニコチン依存症治療が保険医療に・・朗報なの?
 さて、今年4月の医療保険改定では、「ニコチン依存症管理」が保険医療の対象になりましたが、当初、ニコチン依存症治療に用いるお薬が、保険適応医薬品ではなかったなどのトラブルがありました。6月になって、急遽、薬を保険薬に認可することで、この問題の解消はなされました。
 しかし、未だに医療機関には制約があります。特に「呼気中一酸化炭素測定器」という高価な機器の購入が「ニコチン依存症管理」を算定する施設の適合基準となっており、問題になっています。現代は「エビデンス(根拠)に基づく医療」が求められている時代です。ニコチン依存症・禁煙治療に「呼気中一酸化炭素測定器」が不可欠であったという確実な根拠があったのか・・?疑問に感じていますが、将来、これらの制約や矛盾が解消され、禁煙に前向きに取り組める社会になることを希望したいと思います。

東雲クリニック  竹岡秀生
胃腸科・内科・肛門科・呼吸器科
広島市南区上東雲町30-20   電話 082-281-8641