Drifting too far − 29 

映画「2012」から

 先日「2012」という映画を見ました。この年に終末が訪れると言う話でノアの箱舟の現代版といえます。「人の悪が地にはびこり、すべてその心に思いはかることが、いつも悪い事ばかりである。」ことから人を造ったことを悔いて人を滅ぼすことにし、ノアに「わたしは、すべての人を絶やそうと決心した。彼らは地を暴虐で満たしたから、わたしは彼らを地とともに滅ぼそう。」(創世記6.13)と告げました。いまの世界を見るとけしてほめられるような情況にはありません。将に神が言っているように人間は身勝手なことばかりしています。各地で戦争が行われています。また飢えで死んでいっている人たちが沢山いる一方で、大食いを面白おかしく放送するテレビ番組が沢山あります。人間を始め命ある生き物は他の命を奪わなければ生きていけない宿命を負っています。そのため自然界では命を保つため必要最低限の殺生しかしないのが掟となっています。人間は科学の進歩により自然界を勝手に操作できると思い込み、命の尊厳を忘れています。その結果、臓器の移植、他人の身体を利用しての分娩など自然に反する行為を自分にとっては当然のこととして行います。科学の進歩によって可能な限り命を救おうとする行為は当然といえますが、どこかに超えてはならない一線があるといえます。それがどこであるのかは難しい問題だといえます。しかし遺伝子操作でクローンを作成したり、食料となる植物を造り出したりした結果、そのツケが数世代後に災いをもたらすことはないと保証できるでしょうか。自然界の摂理は私たちの想像を絶するものがあるのではないでしょうか。今の時代はノアの洪水をもたらした時代又バベルの塔を造ろうとした人々以上におごり高ぶった傲慢さの時代だといえます。傲慢さが絶頂に達すると破滅に向かわざるを得ません。ドバイが、現代のバベルの塔である世界で一番高い建造物ブルジュ・ドバイ(824.55m)の竣工を目前にして金融危機に陥り、映画「2012」の現代版ノアの洪水を通じて人類に警告のメッセージが届けられているのかもしれません。
 私たちが生きていくためには食物連鎖を始め様々な関係があります。当然、それらと神さま言い換えればサムシング・グレイトの存在との関係を無視は出来ないといえます。自然の前での無力さを「2012」は良く描いています。天災地変の前になすすべも無く、各国が協力して、生き延びるために巨大な箱舟を建造します。そこに乗り組むのは、様々な動物やモナリザを始めとした美術品を含め人間からは新しい世界を切り開いていく優秀なDNAを持った人たち、各国の首脳級の人たちそしてお金で乗船の権利を購入できた人たちです。弱者を切り捨てる今の時代を反映しているといえるかもしれません。当然別々に生活している家族が電話で連絡を取り合いながら分かれを告げていく場面がいくつも出てきます。そうした場面を象徴してブルーグラスやカントリー歌手が良く取り上げるセークレッドソングが挿入されていました。それはジョニー・キャッシュとニッティー・グリティー・バンドが歌う「WILL THE CIRCLE BE UNBROKEN」(永遠の絆)(注1)でした。「母親の棺を見送りながら、いずれは一人ひとりの死が一つの輪に繋がっていくだろう。近い将来、空の中で、より良い家庭が築かれるだろう。」と歌われます。当然何時か自分達も死んで天国で再開出来る日のことを歌っています。この世での生活は一時的なものでしかありません。地球の歴史から言えば1秒をどの桁数で割った時間になるのでしょうか。しかしそうした命は全て宇宙で繋がっています。そうした意識を持って生活できれば済み易い世の中が築けるのかもしれませんが、自分を振り返ってみると不満と愚痴ばっかりで後ろを向いている自分にうんざりします。そんな状態でも、とぼとぼとついてくる年老いた神様を見つけることが出来ればいいのですが・・。

(注1)” Will the circle be unbroken? By and by Lord, by and by, There's a better home awaitin' In the sky Lord, in the sky.”がリフレイン部分です。挿入歌と後一つ紹介しておきます。挿入歌からは「2012」に挿入されている歌をすぺて聴くことができます。

  http://www.youtube.com/watch?v=-gus9pQ3UWw  挿入曲Johnny Cash & Nitty Gritty Dirt Band

  http://www.youtube.com/watch?v=KB1-1zuDGJ0&feature=related  Michelle Wright