本の紹介

1.僕は日本茶のソムリエ   〜お茶で世界をつなぐ夢  高宇政光著            筑摩書房 1,800円
2.ワインと戦争 〜ヒットラ−からワインを守った人々  ドン&ペティ・クラドストラップ著  飛鳥新社 2,800円

 お茶はあまりにも身近すぎて知っているようで何も知らないのではないでしょうか。1の「僕は日本茶のソムリエ」はワインの本を探していて隣のお茶の本棚にたまたまソムリエとの文字が目に止まり、手にした本でした。著者は東京のお茶屋さんで、日本茶インストラクチャ−の制度作りに奔走したり、お茶の勉強で日本各地を訪ねたり、見本市でもらった烏龍茶が気に入り台湾までそのお茶を探しに行ったりする活動家です。また日本茶の種類、歴史、淹れ方そして流通経路の話等分かりやすく書かれており楽しく読める読み物となっています。

 2の「ワインと戦争」は堅苦しく面白くなさそうな感じですが、読み進むに連れて引き込まれていくノンフィクションです。ワインの造り手が畑や保存中のワインを戦禍から守ろうとするのは分かるんですが。世界征服の夢に燃えたナチスがワイン集めに必死になり、標高2000メ−トルを超える「鷲の巣」要塞に50万本のヴィンテ−ジワインや−ポ−トワイン、コニャクなどがコレクションされていた話など、ワインを巡るナチスとの攻防や悲惨な話などが織り成されていますが、ヨ−ロッパ人とワインの特別な関係を感じさせてくれる本です。ワインの向こう側にこの攻防が、フィロキセラの被害が、修道僧の努力が、そして苗を持ってきたロ−マの兵隊の姿がそして十字架で死んだ人が透けて見えてくるのを探しながら飲むのもワインの愉しみかもしれません。

では、今日も十字架で死んだ人の血と汗と涙を楽しむことにしましょう。