本 の 紹 介


無門関を読む      秋月龍ミン 講談社学術文庫 1,050円
公案〜実践的禅入門   秋月龍ミン ちくま学芸文庫 1,400円



 昨年来のあらしも吹き止まず、根無し草のようにふらふらと考えている中で、組織とは無関係な形で集会を持つ無教会主義という考え方を思い出し、内村鑑三や矢内原忠雄の著作を読み、大いに参考になるとともに問題も少なくないことに気づきました。そうした中で、何を思ったのか澤木興道の「禅談」という本が目につき読んでいるうちに、禅の考え方に関心を持ち、以前から名前だけは知っていた「無門関」を読もうと思っても解説がなければ理解もできないと思っているうちにこの「無門関を読む」が目についたので読んでみましたが、全く分からないで始まり、おぼろげな感触で読み終わり、同じ著者の「公案」に進みました。こちらは第1部が参禅入門、第2部が公案33則という構成で、前者に比べて説明がもう少し噛み砕いてあり理解しやすい形になっています。
 「『即今、此処、自己』、禅の修行の眼目はただこの三者の切り結ぶ一点にある。すべての公案はただ
 ここ(真仏の在処、実存の自覚の場)を直指する。禅の修行者はまずこのことを心に銘記せねばならない。」(公案P132)と禅の現場には昨日もなければ明日もない、生きることも死ぬことも同じ、常に今しか無いということになります。分からないまま根気よく読み進んでいくうちに多少なりとも分かるのではないかと想っています。座禅してみればまた違ったものが見えてくるかもしれません。
 ただ私にとっての原点は「何を食べようか、何を飲もうか、あるいは何を着ようかと言って・・あすのことを思いわずらうな。あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう。一日の苦労は、その日一日だけで十分である。」(マタイ6-31)にあるので禅の修行のあり方が納得できます。
 禅に関心のある方は「公案」の第2部から読むのがいいと思います。関心の向き方で、第1部に進むなり、「無門関を読む」に進んでもいいかもしれません。