本 の 紹 介


ニッポンに生きる 在日外国人は今  共同通信社取材班著
現代人文社 2011年2月28日発行  1600円



 私たちの周りには確実に外国人が増えてきています。繁華街を歩けば必ず観光客、日本で生活をしている人を問わず、また国籍を問わず出会います。当然、飲み屋街を歩いてもそうですし、フィリピンの国旗の看板は多数目につきます。中国、韓国、フィリピン、ブラジル、ベトナムやインドネシア・・。考えればこれらすべての国の人たちに友人がおり、一緒に遊びながらも彼らのこれまでの歴史や生活また日本で生活するうえで直面してきている問題については何も知らないのが現実です。個人的な問題まで踏み込んだ話題は出ないので当然のことでしょう。
 先日カトリック新聞に介護、外国語講師や料理店の経営者として働くフィリピン人女性が紹介されていました。20数年来の日本での生活は苦しみの連続であったと思いますがそうした点には触れられず努力した跡、トエイックで980点、日本語検定2級合格等が触れられているだけです。やはり関心があるのはどのような苦労があったのかということです。
 この本は、多数の日本に暮らす外国人と外国人に関係する日本人からの取材で成り立っており、外国人が日本で暮らすことの問題点があらゆる角度から触れられています。第1章隣の外国人、第2章隣の日本人、第3章働いて働いて、第4章併合100年の韓国・朝鮮人、第5章難民鎖国、第6章自らの手で、第7章共生への提言、第8章解説という内容で各章5〜8人のインタビューから成り立っており、第8章は在日外国人小史と在日外国人の現状と課題が簡単に触れられています。ブラジル人の女性が神戸でNPO「関西ブラジル人コミュニティ」を立ち上げ児童向けのポルトガル講座や大人向けの日本語講座などの活動をしているという話がありました。各地にこのような相互扶助的な組織が出来ていくことを祈ります。